【REBORN】最弱幹部は息を潜める (ページ10)

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目的09:ヴァリアーの思惑ページ10

「なんでさ……」

今夜の大空戦に伴って、守護者達にも召集がかかった。
別に最初から観戦するつもりではあったが、参加する気は全くなかった。
まぁ大空戦だし当たり前だが。
絶対ろくなことは起こらないし何なら嫌な予感もする。

全守護者も参加する団体戦となるならば
おそらく単純な頭数ではこちらが少なくなるだろう。
フィールドは参加人数的にも並中敷地すべて使うくらいは広そうだし、どこまで人数不足が影響するかは未知数だ。

私にとって1番最悪なのは雲雀君と1vs1で対峙せざるを得なくなったとき。
まぁ各守護者がもう一度戦うとなったとき、
相手がいなかったり最初から戦闘不能だったりする人もいるから逃げる隙がないことはなさそう。

私は隙を突いた一撃で戦闘不能にして頭数を減らすか
勝利条件を満たすために暗躍するか
くらいの動きしか出来なさそうだ。
あくまで大空戦、ボスの戦いなのだからあまり手出しはしなくていいとは思いたい。

そのあたりまで考えて、臨時アジトの自室の外が少しバタバタしていることに気がついた。
何か色々やっているようだが呼ばれていないし
なんとなく行く気になれなかった。

ボスが10代目に相応しいのは私の中で揺るがない。
ただ、沢田君が相応しくないのかはわからない。
どちらが'より"相応しいのかなどわかるはずがない。
彼にあって、ボスにはない'血"がどこまで影響するかなど知るよしもない。
彼の超直感を目の当たりにして、
それがずっと私の中で折り合いをつけれないことだった。

「本当、もっと早く会いたかったなぁ」

任務中だったから仕方ないが
私が知ったときには全てがはじまっていた。

もしもう少し早くリング争奪戦について知れていたら
もし沢田綱吉君にリング争奪戦の前に会えていたら

ヴァリアー雲の幹部という立場でも
何か出来ることがあったんじゃないか
スクさんは死なずに済んだんじゃないか
そもそも争奪戦が起こることもなかったんじゃないか

なんて意味のないたらればが頭の中に浮かぶ。
でも合流が遅れた任務も上からの命令だったわけで

「お上の方の手の上じゃ、仕方ないもんねぇ」

できなかった後悔は今することではない。
今は、目の前の戦いへの対応だけ。

「私の手札でも、やれることはあるはずだから」

全てが終わった夜明けを相応しいものにするために

夜の帳が下りる。
決戦まで、数刻ーーーーーー