【REBORN】最弱幹部は息を潜める (ページ27)

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目的26:まだ見ぬ先ページ27

「……私はそろそろ帰らなきゃ」

かなり名残惜しい。
彼とずっと一緒にいたいなんて本心は押し込める。

「……あのサル山に帰るの？」

ええ、と返事をすると彼はなぜ、と顔に浮かべる。

「殺されていたかもしれないのに？」

その事実は耳に痛いところはあるけど
彼らが私にしてくれた過去の事実は変わらない。

「それでも私にとっては大切な居場所だから」

彼はため息を吐き、無表情でさらに問いかける。
心なしか悲しそうに見えるのは私の思い上がりだろうか。

「……君は命が惜しいとは思わないの」

「……命が惜しいと思われるからこそ、
たくさん奪ってきた私はろくな死に方しないだろうなとは思ってるけどね、
さすがに積極的に死のうとは思ってないよ。
……ただ、死ぬまで生きて、死ぬだけ」

一体私はどんな表情で話しているんだろう。
別に悲しいことじゃないし、
昔から覚悟してきた事柄であることは変わらない。

だから彼にもそんな顔しないでほしい。

「まぁ今は拾ってもらった命をそんな蔑ろにするつもりはないし、
そうそう殺されてあげる気もないけどね」

と声の調子を上げて明るく言う。
まだ死なない。まだ話し足りない。まだ'先"が見たい。

「だから……次日本に来たときに、また会えたら、嬉しいかな」

それを聞いた彼は何度目かのため息を吐いて
私の頭を撫でた。
肯定と私は受け取ることにした。

「…………不意打ちはずるいなぁ」
「君に言われたくないけどね」

戦闘と会話を一緒にしないで欲しい。
たぶん今の私は真っ赤なんじゃないだろうか。

照れ隠しも兼ねて立ち上がり、そのまま屋上の端へ向かう。
あと1歩踏み出せば宙を舞うことになる。

「…………またね！！」

とびきりの笑顔でその1歩を踏み出す。
途中で銃を抜き、そのまま空を飛んで並盛中学を去る。

振り返りたかったけど我慢した。
きっと彼の顔を見たら戻りたくなってしまうから。

再会までのお楽しみにして、想いもすべて仕舞い込んだ。

予想外に早い再会となるのだが、それはまた別のお話。