【REBORN】最弱幹部は息を潜める (ページ17)

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目的16:在り方ページ17

モニター内では沢田君、ボスと共にゴーラ・モスカが暴れまわっていた。

「カス鮫の代わりの補佐なんだが、暴走し始めちまった」

不敵にボスが笑う。
昼間にアジトがバタバタしていたことがつながる。
おそらくこの状況はボスの想定通り。

ゴーラ・モスカの設計の話は以前耳にしたことがある。
モスカは死ぬ気の炎が動力源で。
バッテリーとして人間を生きたまま入れる。

そんな兵器を沢田君に戦わせるということは。
10代目候補である自分の相手ならば。
あの程度の機械など圧倒して当たり前。
そしてそんな沢田君にモスカごと貫いて欲しい人といえばーーーー

ここまで考えを巡らせてゾッとした。
納刀して3人の元へ飛ぼうとするが雲雀君が攻撃を仕掛けてくる。

「逃げる気？プライドはないの？」

カチンときたとはこういうことをいうんだろう。
低い声で言い放った。

「この程度のことでプライドを持つなんて、私のプライドが許さない」

彼はピクリと眉を動かしたが。
銃の炎を全力でブーストさせてグラウンドへ向かった。
彼はその際に追撃も追走もしなかった。

すぐそこではあるものの、その数秒はあまりにも致命的で。
沢田君はモスカを圧倒し、真っ二つにする構えを見せた。

「沢田君！！！待って！！！！」

私の叫び声と
彼がモスカを焼き切るのが同時。

そこからさらに数秒後
予想通り9代目がモスカから地面に叩きつけられた。

すぐさま9代目の元へ駆け寄る。
彼の胸元には深い傷ができていた。
その傷を使ったのは沢田君でも、彼が悪いけではない。

すぐさま彼女達を睨みつけ叫ぶ。
自分でも驚くほど低い声が出た。

「チェルベッロ、救護班を！！
この人をこのまま死なせてみろ……
お前達全員にボンゴレの悪夢を見せてやる！！」

彼女達は慌てて手配を進めた。

「ど、どーして？！」
「どーしてじゃねーだろ！お前が9代目を手にかけたんだぞ」

沢田君の悲痛な叫びとそれを糾弾するボスの声が流れていく。
具体的な内容が頭に入ってこない。
手の震えも涙も止まらない。

「A」

急にボスから名前を呼ばれ、ふと我に帰る。

「9代目の仇だ、殺るぞ」

仇……誰が？沢田君が？
そんなわけないのは理解できてしまっている。

「ねぇ、ボス……私、こうなった経緯は……わかってるつもりなんですけど」

視界が渦巻く。即座に幻覚だと悟る。
私が反対なのをわかっててその後の私の対処も考えた上での行動なのが確定した。

「くっそ……」

そのまま地面に崩れ落ちた。