【REBORN】最弱幹部は息を潜める (ページ16)

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目的15:真の雲の守護者戦ページ16

「そうだなぁ……じゃあ、
この名前くらいは覚えて帰ってもらおうかな？」

暗殺の性質上、戦法が初見殺しである私が
この人と正面から渡り合えたら
そして彼が私を敵として覚えたら
上出来なのではないだろうか。

「やってみなよ」

彼はニヤリと笑う余裕の表情だった。

「……では」

銃による牽制をはさみつつ駆ける。
牽制は呆気なく躱されたりトンファーで受けられたりしたが、それは問題ない。
問題は相手の有効範囲に入ったとき。

近距離でもこちらの方が僅かにリーチが長いのを利用し先手を取る。

金属音が連続して響く。
彼には最も容易く受けられている。
それにとどまらず連撃の合間に彼も反撃をはさんでくる。
それをどうにか剣や銃身で受けはするが
たまらず一度距離をとった。
何なら距離を取る際、彼の攻撃がかすった気がする。

「あっぶな……やっぱり強いねぇ」

私は苦笑いしつつ納刀した。

「逃げる気？」

それを見た彼は鋭く私を睨みつける。

「まさか」

ワイヤーと繋がったナイフを数本投擲する。
ただ彼はこのナイフにワイヤーが着いているのを知ってるかがわからない。
弾き落とすか、躱すか……

「こんなおもちゃも使うんだ」

と言いながら'躱した"
知らないことを悟った私はさらに連続して投擲する。

彼はこちらに向かってくるがそこでワイヤーが牙を剥く。
ナイフの経路に設置されたワイヤーが彼を切り刻んだ。
痛みと驚きで彼の綺麗な顔が歪み、足が止まる。

「流石におもちゃ呼ばわりは私が怒られるんだよね！」

好機と見てさらにナイフと銃を放つ。
躱しきれなかったり、設置してあるワイヤーなどで
消耗させていく。
しかしそのとき、ワイヤーが彼のトンファーに引っかかった。

バレた！！

すぐさま拘束用として仕掛けておいたワイヤーを引くが、
彼はトンファーから出てきた鎖を回し、ワイヤーを切りつつ突進してくる。
拘束用のワイヤーは数秒の時間稼ぎにしかならなかった。
しかしその数秒で剣は抜く。

「遅いよ」

彼はもう自分の間合いに入っていて
剣で迎撃するには近すぎた。

「……っなめんな！！」

半身を翻して渾身の蹴りを放つ。
狙いは鳩尾。クリーンヒット。
……私も彼の一撃腹部に見事にもらったけど。

「……君、面白いね」

彼はまだまだ余裕そう。
しかし私は今ので手札は切り尽くした。

ボスの銃もスクさんの剣もベルのナイフもルッスさんの体術も全て見せてしまった。

次を考えていたらグラウンドから爆発音が聞こえた。