カタコトリコ2 (ページ36)

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話2_ジン視点ページ36

ベランダでタバコを吸うソジュン先生の元へ行った。

皆は部屋の中で夕飯を再開している。

ジン「やめたんじゃないんですか。」

ソジュン「ふぅ…見張りがいないからいいんだよ。」

見張り。

きっとテヒョンのことだろう。

テヒョンは本気で先生の煙草を辞めさせようと毎日毎日先生の荷物チェックをしてたから。

それで本当にしばらくの間辞めてたんだから凄いよな。

ジン「…生徒に受動喫煙させるつもりですか。」

僕がそう言うと先生は溜息の後に素直に火を消した。

ソジュン「お前知ってただろ。」

ジン「え？」

先生の鋭い視線が僕の方へ向いた。

ソジュン「なんならナムジュンもか？…テヒョンのこと。」

やっぱりこの人は賢い。

なんでもお見通しなんだ…。

ジン「はい。黙っててすみませんでした。でも、全て本人の意思です。僕もナムジュンも…ただ、あいつのすきなとおりにやらせてやりたかったんです。」

皮肉にも僕もナムジュンもテヒョンを哀れんでいるのは最低だけど事実だ。

愛する身内だからこそ、何とかテヒョン自身で幸せを見つけて欲しかった。

好きなようにやらせてあげること以外…要するに何もできることがなかったんだ。

でも本当にそうだったのか…

今になって考え深いんだけどね。

ソジュン「…まぁお前が知ってたことは誰にも言わねぇ。多分ジョングク辺りに殴られるだろうからな。」

先生は笑って言うけど正直想像しただけで恐怖だ。

ジン「お願いします…先生、1つ聞いてもいいですか？」

ソジュン「ん？」

ジン「先生は…テヒョンから何か聞いてませんか？」

僕の勘…だけど、テヒョンがユンギに自慢したのはきっとAのことを覚えてたからだ。

だとしたらとっくの昔に記憶は戻ってたのか？

再会できてきっと飛び跳ねるくらい嬉しかったんだろう。

でもなんで黙ってたのか…

いや簡単…。

やっぱり周りの幸せを考えた結果…だよね。

ソジュン「…あいつの記憶か。」

ジン「っ！」

やっぱり。

何か知ってるんだ。

ソジュン「黙ってるって言うのは…無理みたいだな。お前も正直に話したんだ。俺達だけの秘密になるけどいいか？」

ジン「構いません。」

ソジュン「…あいつは消える前に俺に全部覚えてるって言ったんだ。要するに、記憶はある。でもあいつはAに忘れられてると思ってる。でも違うんだろ？」

ジン「Aは…思い出しました。でも僕達はてっきり…」

最悪の思い違いだ。