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兄弟_ジン視点 ページ11

ジン「テヒョナ、本当に行くの?」

12/4寒い日の朝。

今日は俺の誕生日であり、愛すると弟の旅立ちの日だった。

テヒョン「うん。もう朝のうちにヒョンにも連絡取れてるよ。」

ヒョンというのは例の写真を撮った済州島のカフェの店主さんだ。

テヒョンは高校には行かず、しばらくカフェの店主でありプロカメラマンである店主さんの元で写真の勉強とバイトをしながら暮らすことを決めたらしい。

ジン「本当に皆には何も言わなくていいの?…Aにも…?」

支度をしていたテヒョンの手が止まる。

テヒョン「いいんだ…ジニヒョン、このことは内緒にして欲しい。」

振り向いた弟の目は悲しくて、綺麗だった。

こいつは本当に優しいやつなんだ。

こんな兄貴で情けなくなる。

ジン「…わかった。」

テヒョン「ありがとう。」

っ…。

お前はこんな時でも笑うのか。

なんで泣いてくれないんだよ。

僕は…テヒョンに何もしてあげられないの?

兄弟なのに…。

ジン「テヒョン。これ持ってけよ。だいぶ早いけど誕生日プレゼント。」

一生懸命バイトをして貯めた金で買った一眼レフを渡した。

テヒョン「ヒョン…今日はヒョンの誕生日なのに…ごめん俺…。」

ジン「いいんだよ。昨日の飯はお前が作ってくれたでしょ?」

テヒョン「でもあんなの…っ!」

テヒョンを抱きしめた。

ジン「…いいから。元気でやれよ。いつでも帰ってきていいから…僕はお前の兄貴で幸せなんだから。」

テヒョン「ヒョン…俺もヒョンの弟で幸せだよ。」

ジン「…ありがとう。よし、行け!」

テヒョンの背中を思い切り叩いた。

テヒョン「いてっ…うん!」

テヒョンはニコッと笑うと家を出て行った。

俺もできる限りの笑みを浮かべて手を振った。

ジン「元気でな。」

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作者名:たんぐん | 作成日時:2019年10月14日 11時

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