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すぐに選択を間違えたのだと悟る。
待って、見捨てないで。縋るAを、とうとう五条悟は払いのけ強い口調で叫んだ。
「気持ち悪いんだよ、お前」
そりゃそうだ。
初対面の人間に泣きそうな顔で友達になってくれなんて、明らかに挙動が不審な女に縋られたら、誰だってそう思う。
夏油傑はまだ哀れなものを見る視線を向けていたが、Aと目が合うと逸らされた。
関わりたくない。やばい人間に抱く感情のそれだった。
それから、またいつものようにこの夢の中でも二人はAと関わりを持つことは無かった。
あちらが避けていたからだ。
めげずに話しかければ五条悟に罵声を浴びせられてしまうし、夏油傑に至っては完全に存在を無視される。
殴られたりその場で殺されたりしないだけ良かったのかもしれない。
そこまでする価値が無いと思われただけかもしれないけれど。
家入硝子は無関心を装っていたので、そこになんの感情があるのか分からなかった。
未来の事を話せば死んでしまう。だけどこのままでも悲劇は変えられないから死んでしまう。
分からない。どうしたら変えられる?
きっと仲良くなれたら、その理由も分かる気がした。
だけどとんだ勘違いだったらしい。
大体、特級になる彼等と仲良くなろうなど、烏滸がましい事だったのだ。
星漿体任務に向かった彼らの背中を見て拳をにぎりしめる。
また変えられなかった現実に涙をこらえ、次の自分に出来ることを考える。
私は、わたしが繰り返す理由が知りたかった。
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妙(プロフ) - 早く続きが楽しみです!泣いちゃいました更新楽しみに待ってます。 (3月29日 23時) (レス) @page33 id: 53e14be78c (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 最高です!!泣きました (3月28日 5時) (レス) id: a05e9c9f42 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ - とても面白いです!更新楽しみに待ってます! (3月26日 21時) (レス) @page24 id: 4ea54ee5be (このIDを非表示/違反報告)
セネリオ - 面白いです!24時間が待ち切れない…!明日も楽しみにしております。 (3月23日 21時) (レス) id: f9511cc749 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なっしー | 作成日時:2024年3月21日 18時