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目の前が真っ赤に染まっていく。
夜蛾が目を見開いて何かを言っているが、Aにはよく聞こえなかった。
だって、目の前に夜蛾の靴の先しか見えなかったから。
なんで、自分の体を見上げているのだろう。
失敗した。何を。なにか、間違えたの?
地面に落ちた痛みで目を閉じる。次にAの身体が倒れる音を聞いた。
首が飛んだのだと気がついたと同時に、Aの意識は暗く沈んでいく。
───陽射しが眩しくて目を開いた。
最初はよく分からず、ただ自分の首と胴体が繋がっていることに心底安心して、そして発狂した。
(…嫌だ…ッ!死にたくない…!)
なんで、どうして私が?
そもそもさっきはどうして死んだのか。
だって殺されていないのに。
夜蛾に全て話しただけだ。未来の事を、Aが彼等に殺される事を。
───他人に話したら、死ぬ?
最悪の結果をAの脳内が弾き出す。
それなら、なんて絶望的な観測なのだろうか。
誰かに縋ることすら許されないなんて。
分からない。全部全部分からない。
「…なんとか、しないと」
やっと決意出来たのは、丁度15回目を迎えた始まりだった。
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妙(プロフ) - 早く続きが楽しみです!泣いちゃいました更新楽しみに待ってます。 (3月29日 23時) (レス) @page33 id: 53e14be78c (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 最高です!!泣きました (3月28日 5時) (レス) id: a05e9c9f42 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ - とても面白いです!更新楽しみに待ってます! (3月26日 21時) (レス) @page24 id: 4ea54ee5be (このIDを非表示/違反報告)
セネリオ - 面白いです!24時間が待ち切れない…!明日も楽しみにしております。 (3月23日 21時) (レス) id: f9511cc749 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なっしー | 作成日時:2024年3月21日 18時