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 離れていこうとするAの、小さい手を掴んだ。ポッキリと折ってしまわない様に、五条は蝶より花より丁重に自分の頬へ当てる。

 涙に濡れて、少し冷たかった。でも、柔らかい。
 生きている手だ。

 何度も何度も殺めて、冷たく硬くなっていく姿を思い出す。
 あの時とは違う、命の暖かさが通っている。

「…信じて、なんていわないけど…でも、寄りかかって、話をしてくれたら、嬉しい」
「……」
「僕は…。…僕達はね、本当に、Aに会えた事が嬉しいの。生きていてくれて、よかった」
「…そ、う…なの?」

 辿々しく、昔の様な口調で訊ねてくる。
 初めて拒絶されなかった事に喜びながら、決して怖がらせないように慎重に言葉を選んだ。

「うん。ほんとに、良かったよ」
「……そっ…か」
「傑と一緒に、大人になれたこともね、凄く感謝してるの。きっと、Aが居なかったら、この未来はなかったから」

 例え、彼女が生き延びるためにした事でも、こうして同期全員が死なずに大人になったのは、全部全部Aのおかげだから。

 ゆっくりと、噛み砕いて、Aが飲み下せるように笑いかけながら伝える。

「ありがとう、A。君がいてくれて、救ってくれて。本当に…ありがとう」

 彼女は瞬きをして、そして。

「───…うん」

 五条悟は思わず声を失う。だって、Aがあまりにも安心しきった声を出すから。

 その瞳に、星屑を撒いた光を宿したから。

 ずっとずっと見たかった、本当の笑顔。
 嘘偽りのない微笑みが、向けられたから。

 

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(プロフ) - 早く続きが楽しみです!泣いちゃいました更新楽しみに待ってます。 (3月29日 23時) (レス) @page33 id: 53e14be78c (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 最高です!!泣きました (3月28日 5時) (レス) id: a05e9c9f42 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ - とても面白いです!更新楽しみに待ってます! (3月26日 21時) (レス) @page24 id: 4ea54ee5be (このIDを非表示/違反報告)
セネリオ - 面白いです!24時間が待ち切れない…!明日も楽しみにしております。 (3月23日 21時) (レス) id: f9511cc749 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なっしー | 作成日時:2024年3月21日 18時

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