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覚悟 ページ4




 夏油傑と五条悟。どちらかに…或いはどちらにも殺される。
 それに気がついたのは、恐らく7回目を迎えた時だった。

 あんなに彼らが怖かったのは、殺される未来を知っていたから。
 春の陽射しから始まる度、あぁまたダメだったと思うのだ。

 殺されて時間が戻る──死に戻り。

 もちろんAにそんな術式はない。
 過去に一度、五条悟に『呪術師を辞めろ』と言われた程には取るに足らない実力の持ち主なのだから。

 死に戻りなどというある意味最強の術式など、ない。

 終わらない夢に気が付いて、自覚して、Aは当初パニックになった。
 当たり前だ。だって、この校舎に入れば自分が死ぬ未来が確定する。

 回避方法も分からない。
 逃げ帰る?そんなの親は許さない。そもそもこんな話を誰も信じてくれないだろう。

 どうしよう、どうしたら助かるんだろう。
 どうしたら、殺されないのだろう。

 そもそも、彼等がなぜ呪詛師になってしまうのか分からない。
 全てに絶望している顔だった。全てを憎んでいるようにも見えた。

 怖い怖いと避け続けていたAには、彼等のことを何ひとつとして理解できない。
 だからこそ、殺された理由すら思い当たらない。
 
 もしかしたら、無能だから非術師と一緒に殺してもいいと思われているのかもしれない。

 同級生ともいえないんだろう。彼等の中では。
 接点を作りたくなくて、わざと任務を詰め込んで距離をとって。

 名前すら覚えられていなかったのだから。

 だから、彼等の中で殺してもいい人間に括られていたのだ。自業自得なんだ。

 いつまでもしゃがみ込むAを、今回も夜蛾正道が見つける。行きたくない。教室に足を踏み入れたくない。

 殺されたくない。

「せ、んせ」

 だから、自覚した最初の夢でAは夜蛾にありのままを語った。
 未来で夏油傑が離反する事を。
 五条悟が非術師諸共人間の虐殺をしていくことを。

 あの日ハンカチを渡してくれた優しさに縋りたくて。
 この人なら何とかしてくれるなんて期待をする。

 何を言っているんだという顔で見られても、構わずに捲し立てるものだから、夜蛾がAの肩を掴んで落ち着けと叫んでいる。

 落ち着いていられるものか。
 彼らを止めないと。
 そうじゃないと自分が死ぬのだから。

 先生聞いて。先生、先生。
 私、彼等に殺されて夢を繰り返して───。

 (───ぁ、れ)

 ぐらりと、視界が回る。

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(プロフ) - 早く続きが楽しみです!泣いちゃいました更新楽しみに待ってます。 (3月29日 23時) (レス) @page33 id: 53e14be78c (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 最高です!!泣きました (3月28日 5時) (レス) id: a05e9c9f42 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ - とても面白いです!更新楽しみに待ってます! (3月26日 21時) (レス) @page24 id: 4ea54ee5be (このIDを非表示/違反報告)
セネリオ - 面白いです!24時間が待ち切れない…!明日も楽しみにしております。 (3月23日 21時) (レス) id: f9511cc749 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なっしー | 作成日時:2024年3月21日 18時

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