咆哮 ページ30
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与えられた仕事部屋の机の上。
色とりどりに積み重なる贈り物の数々に、Aはどうしようかと頭を悩ませる。
夢、じゃないよなぁ。頬を抓ってちゃんと痛いのだから。
あの日から、五条悟と夏油傑は毎日のようにAの元へとやってくる。
初めの頃に夏油傑からブランド物のネックレスを贈られた時は、驚きすぎて悲鳴を上げてしまった。
そんなものを貰う資格も無ければ、理由もない。
ただただ申し訳ないだけだから要らない、と告げた時、やはりふたりは泣きそうな顔をする。
その度に、あぁ、また言葉を間違えたんだな。と心が痛くなる。
今は彼らの望む答えが分からない。だから、笑っていてほしいのに尽く失敗してしまう。
まるで、何も出来なかった時の自分のようで嫌になる。
ぬいぐるみだったり、花だったり。贈り物の内容が落ち着いてきたのはつい最近の事だ。
それでも、気を遣わないでほしいとは思う。
ただの同期として割り切ってほしかった。
Aの心が乱されてしまうから。
扉を叩かれ、『僕だけどいい？』なんて声が聞こえる。
毎回一瞬迷ってから、こうして通してしまう。
「お疲れ様。ちゃんと休憩してる？元気？」
「…お疲れ様です。休憩は取ってますよ」
「そ。よかった」
目を覆っていた包帯を外して、宝石色の瞳を緩ませて笑う。
五条悟は、Aと話す時必ずそうしていた。素顔を見せて、安心させるように微笑んで、ソファーに座ってこちらを見つめる。
何かを求めているような、そんな目で。
高専時代とは違う、とても優しく緩やかな口調で話しかけてくる。
その度、Aはどうしていいか分からなくなるので、青い目を見ないように顔をそむけることで精一杯だった。
失礼なこととは分かっている。
目を逸らす度、彼は眉を下げて悲しそうにするのも、知っている。
毎回、五条と夏油はその日あった事なんかを話してくれた。Aはただ頷くか、短い返事をするだけ。
それでも、言葉を返せば、嬉しそうに笑うのだ。
……分からない。
なんで、そうやって優しくするんだろう。
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妙(プロフ) - 早く続きが楽しみです!泣いちゃいました更新楽しみに待ってます。 (3月29日 23時) (
レス) @page33 id: 53e14be78c (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 最高です！！泣きました (3月28日 5時) (レス) id: a05e9c9f42 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ - とても面白いです！更新楽しみに待ってます！ (3月26日 21時) (レス) @page24 id: 4ea54ee5be (このIDを非表示/違反報告)
セネリオ - 面白いです！２４時間が待ち切れない…！明日も楽しみにしております。 (3月23日 21時) (レス) id: f9511cc749 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なっしー | 作成日時：2024年3月21日 18時
