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 また、足音が聞こえた。
 五条悟の青い瞳に見つめられるのが耐えられなくて視線を向ければ、信じられない人物がそこにいる。

「A……?」

 また、向けられた事のない泣きそうな顔をしている。
 五条悟と揃いの服を着ているところは、やはり今でも親友なのだな、とぼんやり考えた。

 二人とも、先生になったんだ。大人に、なったんだ。

 夏油傑はずんずんと近寄って、五条と同じように膝を着く。
 そして耐えきれないような表情で涙を堪えていた。

「…二度と会えないかと思ったよ」

 二度と会わないようにしたんだ。なのに、これはどういうことなんだろう。

 どうして二人とも、そんなに悲しそうな顔をするの?

「全部、思い出したんだ。Aが死を繰り返していることも、私達が君を殺してしまうことも、全部」

 ヒュッ、と喉が締まる。そんなことありえないと脳が叫ぶ。

 どうして彼等が知っている?だって、だって知ってしまえば、それはAの死を意味することだ。

 夏油の手を振り払う。真っ先に首に触れた。

 ───切れて、ない。

 なんで。どうして。
 だって、未来を知ってしまえば、話してしまえば死ぬはずなのに。どうして、死に戻りが起きないの?

「Aに会いたかった。ずっと、ずっと、謝りたかった」
「…もう、勝手に居なくならないでくれ」

 夏油と五条が、とうとう涙を流して俯く。
 縋るように、ふたりはAの服の裾を掴んでいた。

 なに、これ。
 どういうことなんだろう。

 ふたりともあれだけ私を殺してきたのに。へんなの。
 許されたいって、顔をするなんて。

 今までずっと、殺さないでと許してほしかったのはこちらなのに。

 翌日から、五条と夏油に今までの償いだと付き纏われ、優しくされるとは露知らず。

 家入硝子に『どうして置いて行ったの』と泣かれるなんて思いもせず。

 伏黒甚爾もAの帰りを待っていたことなんて考えもせず。

 (……変な人たち)

 ただ、ふたりの豹変ぶりに驚いて固まっていた。



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(プロフ) - 早く続きが楽しみです!泣いちゃいました更新楽しみに待ってます。 (3月29日 23時) (レス) @page33 id: 53e14be78c (このIDを非表示/違反報告)
ゆき - 最高です!!泣きました (3月28日 5時) (レス) id: a05e9c9f42 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ - とても面白いです!更新楽しみに待ってます! (3月26日 21時) (レス) @page24 id: 4ea54ee5be (このIDを非表示/違反報告)
セネリオ - 面白いです!24時間が待ち切れない…!明日も楽しみにしております。 (3月23日 21時) (レス) id: f9511cc749 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なっしー | 作成日時:2024年3月21日 18時

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