ふざけるな ページ36
グルッペン目線
なんとなく分かっていた
Aは言葉を覚えてからきっと自分自身について良く考えたのだろう
次に俺達について考え理解出来なかったが為に
分かろうとずっと考えていたのだろう
兄さんは前Aに現実を見ろと言っていたが
きっと俺達よりもAがよく現実を見ていたのだろう
だからこそ俺の助言を役立て親子ゲンカという戦争を起こした
トントンが用意した馬車に乗り込みインカムにそっと手を添えた
音を聞き逃さないように
『根っこから全てが腐ってるクズのアンタとそんなアンタを愛しちゃった自分の不甲斐無さとかアンタヘの憎しみで一杯なのに』
やめてくれ。頼む
『知らない内に自分の事も限界まで追い詰めてそれに自覚出来ずにクズになるまで我武者羅に頑張ったあの人達を一緒に・・・するな!』
もう俺達を暴かないでくれ
あの女の怯える声なんかもう今はどうでもいい
報復さえも今は放棄したって構わない
グルッペン「トン氏!もっと飛ばせ!」
トントン「アホ!これが全速力や!!」
『あの人達は逃げたんじゃない』
Aの泣きそうな声を俺は初めて聴いた気がする
『あの人達は・・・逃げられなかった
少し逃げられても完全に逃げ切れなかった優しくて強くて・・・弱い人達だよ』
そう、俺達は罪悪感からも責任感からも逃げ切れなかった
国は存在しているのに息をするだけで酸素が足りないかの様に息苦しく自分に苛立つ
Aを見れば罪の意識と不甲斐なさ
こんな子供に全てを背負わせようとする自分の浅ましさに吐き気すら覚え甘味も喉を通らん
今だってトントンや他の同志が頑張っている中俺は歯を噛み締め貧乏ゆすりをしているだけ
なんなら舌を噛み千切ってやろうか
そうすれば楽になるか?
ふと気を抜くとすぐに責任から逃げようとしてしまう自分が嫌いだ
トントン「グルさん!なに考えとるか知らんけど今はAの事だけ考えとけよ!」
トントンの怒鳴り声で我に帰深く深呼吸した
少しだ、後少しでAの元へ行ける
『あの人達に比べたらこんなの全く・・・痛くも痒くもない!』
Aの声が鮮明に聞こえたと思うとすぐに大量の銃声が聞こえ、目線は敵国に釘付け
俺は普段神に祈ったりはしないし信仰さえもしない
だが今回ばかりは柄にもなく祈ってしまった
頼むから無事でいてくれと
『・・・・・・・・・・・』
グルッペン「?A?」
小さな声であったが確かに聞こえた
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たぴくん - めっちゃ続き気になります!更新頑張ってください! (2022年9月17日 21時) (レス) @page34 id: f184817549 (このIDを非表示/違反報告)
みずき - えっあ重っえあ、こういう作品好きです、応援しとります、更新頑張ってください (2022年9月17日 20時) (レス) @page34 id: 129e1b5429 (このIDを非表示/違反報告)
冥界の薔薇 - 更新ありがとうございます!とても続きが気になります!更新頑張ってください! (2022年8月7日 23時) (レス) id: c3c04812a2 (このIDを非表示/違反報告)
冥界の薔薇 - このような話めっちゃ好きです!他の作品も全て読まさせてもらいました!無理はしない範囲でいいので頑張ってください!応援しています! (2022年8月2日 9時) (レス) id: c3c04812a2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春よこーいw | 作成日時:2022年7月6日 3時