【鬼滅の刃】鬼斬り様は報われない【男主】

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【急募】包帯をつけなくて良いのか、
と聞かれた時の正しい返答。

そんなテロップが頭の中を流れた。普通に考えて包帯巻いてる方がおかしくねぇか。『包帯取らないんですか』なら分かるぞ、お前どこぞの厨二病だな？って聞きたくなるような包帯を巻いているやつは死ぬ前にもいた。

だがこの目の前の女の子は聞いてきた。つけなくていいのか、と。つまり俺は包帯を巻いてたんだな？
どこにだよ…そんな隠すようなものなんてAちゃんの身体にはないと思うんですが。

…自分でAちゃんとか言って気持ち悪くなったわ。


__待てよ、そういや俺、包帯巻いてなかったか？


サッと血の気が引く。まさかとは言わんが、目元に巻いてたアレがこのことか？？？
あんな360度闇が広がるVRみたいな視界不良状態がこの世界の俺の通常営業なのか？

アホなの？？ねぇ、この世界の俺、アホなの？？？

　


____ここまで僅か数秒。考えはまとまったし、どこに巻くのかもわかった。


だから俺は敢えて、包帯をくれ、と言うのだ。

そう言えば安心したように息を吐く少女。なんだ、俺威圧してたわけじゃねぇぞ。


　


「__Aさん、『こんな気持ち悪い目、見たくないだろ』って前々から仰ってましたし…早く隠したかったのでしょう？」

気が利かなくてごめんなさいね、と申し訳なさそうに笑う蝶の羽織の彼女はそのまま何処かへと向かっていった。__なんでも他の人の治療だとか。まあ、俺だけじゃないわなけが人なんざ…。


そして少女__名をアオイと言うらしいが__は包帯を俺に渡すや否や、じゃ、じゃあ私はこれで！と一目散に部屋を出て行ってしまった。


「………ゑ」


待ってくれよ、俺自分の顔に包帯巻くの初めてぞ。
でもこれでうまく出来なかったらアレだろ？Aの皮を被った鬼だな、って言われちゃうかもしれない奴だろ。


どうにかしてうまく巻かないといけないわけだな！
…いや、完全に積んだ。


　



包帯を手に取ったまま固まっていると、自分の意思とは関係なく手が動き出した。いや怖すぎるんだが？
そしてグルグルと自分の顔に包帯を巻き付け、後ろでキュッと結び付けると腕から力が抜けダラリと垂れた。


「……っいや、こっわ！！？」


これこそ呪われし右腕…いや両腕か。だが、これで包帯巻き巻きの件については問題ないだろうし

この包帯不思議でな。


さっきとは違って周りが見えるんだわ。
それはそれで怖い。

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