〇05 ページ5
.
朝起きるともう優太は起きていて、
いなくなってなかったことにホッとする。
「優太、会社まで来るの?」
「うん、行くよ!てか今までも行ってたし!」
「そうなんだ」
「Aしっかりしててすごいよな、俺だったら絶対ミスばっかりする!」
「ミスしない優太なんて優太じゃない」
「ちょ、おま、それはひどくね?!」
優太と話しながらも、
髪を整えたり軽くメイクをして着替えたり、
準備を進めて家を出ようとすると、
「お前さ、前から思ってたけど飯は?」
って痛いところを付かれる。
朝なんて、自分一人のために作る気になれないからしばらく食べてないし、
夜もまともなもの食べてない。
「いいの、もう行かなきゃ」
「ちゃんと食わねーと体に悪いぞ」
「大丈夫だってば」
「A前から細かったのに俺死んでからもっと細くなったからそのうち骨になるぞ?」
「そんなに痩せてないし」
明日からは食べろよ!ってうるさい優太を無視して、
駅に向かう。
「A、ちゃんと食わなきゃ」
「大丈夫だってば」
「食って寝てりゃ生きてけんだから!飯!食え!」
「優太に言われたくない」
よくよく考えてみたら、
周りの人には私がひとりごとを言ってるように見えてるんだ。
さっきからすれ違う人数人に向けられていた怪訝そうな視線の理由がわかって、
外では話しかけないでって優太に伝える。
「俺は話しかけるけど無視していーよ!」
「返事しちゃうもん」
「今までだって話しかけてたもん俺」
「それは聞こえてなかった」
「Aがちゃんと返事してくれんの嬉しいけど外では無視していーからね」
優太が気になりつつも、
周りに不審に思われないようにキョロキョロしないで視界の端っこに入れておく。
電車に乗り込んで、
二駅だけぎゅうぎゅうなのを耐える。
「あの時間の電車混みすぎだよな」
「A、危ないと思うんだけど」
「一緒に通勤してくれる男とかいないわけ?」
「ま!いたらいたでショックだけどさ!」
この幽霊だいぶうるさい。
仕事中もこんなに話しかけられちゃたまったもんじゃない。
ちょっと睨みつけて、早足で職場に向かった。
.
1121人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「平野紫耀」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
涼杜兄妹(プロフ) - 岸くんの小説初読みがとても素晴らしい作品で、2人だけの結婚式のところめっちゃ泣きました。今後平野くんでどうなるのか楽しみです!応援しています! (2019年4月26日 23時) (レス) id: 400e48a6ce (このIDを非表示/違反報告)
しゅしゅ(プロフ) - はじめまして。読んでいると自分がこの作品の中に入り込んでいくようなもので、岸さんの設定もあり、何度か涙してしまう部分がありました。平野さんとの本編がとても楽しみです。ひとつのドラマのように見れたこの作品がとても好きです。 (2019年4月6日 5時) (レス) id: e8afa57bf5 (このIDを非表示/違反報告)
S(プロフ) - 初めまして。楽しく読ませていただきました。本編があるなんて楽しみです。 (2019年4月1日 2時) (レス) id: 123949a422 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - めっちゃめっちゃ本編楽しみです!私は岸くんが一番すきなので、岸くんの話を読めてホントに良かったです!更新頑張って下さい♪心から応援してます!!! (2019年3月31日 23時) (レス) id: 36d39b543c (このIDを非表示/違反報告)
光彩 - 初めまして。岸くん押しなので気になり読ませていただきました。すごく面白かったです。岸くんが消えてしまってさみしいですが、彼の願い通りヒロインと紫耀くんが幸せになれたら嬉しいです。本編も楽しみにしています。 (2019年3月30日 20時) (レス) id: 44ed791076 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ベリナ | 作成日時:2019年3月4日 18時