さよなら、初恋【岸優太】

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次の日になっても、


ジンと平野紫耀の関係は修復されておらず、





それが原因なのか、


私に話しかけてくることも一切なかった。






対象的に、気を使うようにアキが平野紫耀とたくさん話すようになって、


ジンはそれが気に食わないみたいで、



アキにまで若干腹を立てている。






必然的にお昼はジンとふたりで食べることになった。









「別に、私たちなんも危害及ぼされてないし、そんな怒る必要ある？」


「普通に仲良くしたくないだけ」


「キャラ被ってるから？」


「うっせ」









平野紫耀がチャラくても、取っかえ引っ変えでも、


私にはなんの関係もない。



ジンがここまで頑なに彼を拒む理由がわからなかった。









「A狙いとか普通に腹立つ」


「私がひっかかるとでも？」


「どうせやることやったらポイってされんだよ」


「でも女の子から頼まれたって噂だよ。アキが言ってた」


「どうでもいいわ」









女の子も女の子で、頭悪い。


なにが楽しくてあんなやつにお願いして抱いてもらってるんだろ。




ちょっと顔がいいだけのチャラ男なのにな。









「とにかく、Aはあいつに近づくなよ。アキには俺から注意しとくから」


「はーい。言われなくてもあいつそんなに好きじゃないから近づかないよ」


「A人を見る目はあるもんな」


「別に、そんなんじゃないけど」









ジンは、優太のこと、知ってるし、


過保護だから、私のこと特別に心配してくれてるんだろう。




今までも、変な人達が私に近づきそうになったら、


そっと遠ざけてくれてたの、実は知ってる。









「ジン、私のお兄ちゃんみたい」


「お兄ちゃんかあ、まあそうかもな」


「やっぱりパパかな」


「パパはやめろ。笑」









今日も、優太いないなあ、


静かだなあって思いながらも、




いきなりいなくならないって言葉を思い出して。







きっと近くにいるんだろうなって想像で安心する。









「優太くんって人のことさ、」


「うん？」


「俺が忘れさせてやろっか」


「自力で頑張る」


「あっそ」









このやりとり、多分前にしたことあるけど。


ジンはいつだってチャラそうで紳士だからなあって、



気にすら留めてなかった。









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