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その日の夢は、ずいぶん懐かしい夢だった。
まだ、付き合う前の、
私は優太をまだ好きじゃなかった頃。
「Aちゃん!!!」
「あ、岸くん」
「今日も可愛い!」
「それ、毎日やるの?」
「だって毎日思ってんだもん!!」
毎朝、私が教室に行くと、私の席で優太が待ってて、
(違うクラスなのに)
いっぱい喋りかけて来るのが日課になりつつあって。
「てか!優太って呼んでよ!!」
「無理」
「なんで?!お願い!!」
「だって、なんか今さら」
「好きな子には名前で呼ばれたいの!」
結婚したら、パパって呼ばれたいな〜って、
まだ付き合ってもない頃からそうやって言ってたっけ。
私の事考えてそんなにニヤけるんだ、って、
嫌な気はしなかった。
「あ、チャイムなりそう!!Aちゃんまた来るね!!すきだよバイバイ!!!」
「あ、うん」
こんな風に、毎日話しかけに来てくれて、
友達が少ない私からしたら嬉しかった。
「Aちゃんさ、彼氏いたことある?」
「ない」
「まじで?!」
「うん」
「じゃあ俺が初彼氏になれるようにがんばろ!」
「好きとか、よくわかんないもん」
「そこは難しいとこだよな〜、」
俺が、Aちゃんに、好きって気持ちがどんなに幸せなものか教えてあげれるように頑張るねって、
顔をしわしわにしながら笑って、
私はそもそも男子とこんなに仲良くなることがなかったから、
近い距離に心臓が早く動いていた。
「Aちゃんってなんでそんなに可愛ーの!!!?」
いちいち大袈裟に、
しかも周りに人がいるのに、
恥ずかしげもなくそんなこと言うから、
私の方が恥ずかしがってた。
「はあ、日に日に好きになってって俺の好きがやばいんだけどどうしたらいいと思う?」
「そんなこと聞かれても、わかんない」
「Aちゃんが可愛すぎるのが悪いんだよ?!」
「優太のタイプがおかしいんだよ」
「......やっぱ名前呼び最高。すき!」
ちょっとずつ、ちょっとずつ、
優太との距離は縮まって、
惹かれていって、
今思うと私、優太に出会わなかったら、
一生ひとりさびしく生きてた気がする。
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涼杜兄妹(プロフ) - 岸くんの小説初読みがとても素晴らしい作品で、2人だけの結婚式のところめっちゃ泣きました。今後平野くんでどうなるのか楽しみです!応援しています! (2019年4月26日 23時) (レス) id: 400e48a6ce (このIDを非表示/違反報告)
しゅしゅ(プロフ) - はじめまして。読んでいると自分がこの作品の中に入り込んでいくようなもので、岸さんの設定もあり、何度か涙してしまう部分がありました。平野さんとの本編がとても楽しみです。ひとつのドラマのように見れたこの作品がとても好きです。 (2019年4月6日 5時) (レス) id: e8afa57bf5 (このIDを非表示/違反報告)
S(プロフ) - 初めまして。楽しく読ませていただきました。本編があるなんて楽しみです。 (2019年4月1日 2時) (レス) id: 123949a422 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - めっちゃめっちゃ本編楽しみです!私は岸くんが一番すきなので、岸くんの話を読めてホントに良かったです!更新頑張って下さい♪心から応援してます!!! (2019年3月31日 23時) (レス) id: 36d39b543c (このIDを非表示/違反報告)
光彩 - 初めまして。岸くん押しなので気になり読ませていただきました。すごく面白かったです。岸くんが消えてしまってさみしいですが、彼の願い通りヒロインと紫耀くんが幸せになれたら嬉しいです。本編も楽しみにしています。 (2019年3月30日 20時) (レス) id: 44ed791076 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ベリナ | 作成日時:2019年3月4日 18時