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次の日、優太がうるさいから久しぶりに朝ごはんを食べて、
いつものごとく満員電車に乗り込む。
「A、おはよ」
「えっ、ジン早くない?」
「なんとなく、Aの真似して早く来ることにしてみた」
「なにそれ。笑」
今日はアキの週休日で、
ジンとふたりで、例のジンの友達と会う予定なんだけど、
そこでご提案する資料とか、
書いてもらう書類とかをそろえる。
「ジンメインは初じゃない?」
「そう。補佐は結構したけど俺が担当するの、初めて」
「それ補佐の人私よりももっと経験豊富な人の方がいいんじゃ」
「いーんだって、俺はAに手伝って欲しいの」
優太がジンにシャーシャーやってるのも、
さすがにもう見慣れた。
優太がいる生活に慣れると、
いなくなった時にしんどいのが目に見えてるから、
優太に生活を侵食されないように意識することにした。
「ジンの友達、結婚早めなんだね」
「うん。でもそいつら中学から付き合ってたからさ」
「そっか、そう考えたら早くないね」
「Aは、中学のころ彼氏いた?」
「いない」
「なんかそんな気がしてた」
「うるさい」
ジンは私が男慣れしてないのをちょくちょくいじってくる。
ちょっとだけムカつく。
「いや!いいと思うよ!慣れすぎてたらちょっと引くじゃん!」
「黙って」
「俺は清楚な子の方が」
「いつも連れて歩いてるの派手な子ばっかりじゃん」
「遊び相手なら顔よけりゃ誰でも」
「最低」
「彼女いたら遊ばないから最低ではないよね」
「だから彼女つくんないのか」
「そーゆーこと!」
ジンのお友達が来るのは昼過ぎだから、
一通り資料に目を通して席を立つ。
向かうのは非常階段。
自販機でミルクティーを買って、
ちょっと重たいドアを開ける。
今日は曇り空で、
こういう天気の方が好きだな、なんて
そんな贅沢なこと考える。
「あ、いた!」
「え?」
私がいるのは9階なんだけど、
下から非常階段を登ってきて、よっ!って
顔出したのは、えっと、
「え?俺の事忘れた?!」
「いや、顔はわかるんだけど」
「んもー!紫耀だよ!平野紫耀!」
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涼杜兄妹(プロフ) - 岸くんの小説初読みがとても素晴らしい作品で、2人だけの結婚式のところめっちゃ泣きました。今後平野くんでどうなるのか楽しみです!応援しています! (2019年4月26日 23時) (レス) id: 400e48a6ce (このIDを非表示/違反報告)
しゅしゅ(プロフ) - はじめまして。読んでいると自分がこの作品の中に入り込んでいくようなもので、岸さんの設定もあり、何度か涙してしまう部分がありました。平野さんとの本編がとても楽しみです。ひとつのドラマのように見れたこの作品がとても好きです。 (2019年4月6日 5時) (レス) id: e8afa57bf5 (このIDを非表示/違反報告)
S(プロフ) - 初めまして。楽しく読ませていただきました。本編があるなんて楽しみです。 (2019年4月1日 2時) (レス) id: 123949a422 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - めっちゃめっちゃ本編楽しみです!私は岸くんが一番すきなので、岸くんの話を読めてホントに良かったです!更新頑張って下さい♪心から応援してます!!! (2019年3月31日 23時) (レス) id: 36d39b543c (このIDを非表示/違反報告)
光彩 - 初めまして。岸くん押しなので気になり読ませていただきました。すごく面白かったです。岸くんが消えてしまってさみしいですが、彼の願い通りヒロインと紫耀くんが幸せになれたら嬉しいです。本編も楽しみにしています。 (2019年3月30日 20時) (レス) id: 44ed791076 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ベリナ | 作成日時:2019年3月4日 18時