初恋の君が知っている２-*探偵チームKZ事件ノート*-

3-A　和乃、再登場 ページ5

・ 羚亜 side



　「あ、美野さん！」



　一度聞いたことのある、
　明るくてどこか楽しげな旋律。


　…和典のいとこの和乃、だ。



　声のした方を振り向いて、
　私は目を細めた。


　だって、彼女は階段の手すりに
　腰掛けているのだから。



　「何、してるの、和乃。


　危な…」
「きゃっ。」


　「和乃！！」


　「…よっ、と。」



　バランスを崩して、

　和乃は階段から落ちる…と、思った。



　「和乃ってば、やんちゃすぎ。」


　「…たたたたたた、貴和くん!?」



　ん？



　「やれやれ、久しぶりに秀明来たら、これ？

　気、つけなよ。


　…手…捻ってるね。医務室、行こ。」



　目の前に広がる光景。



　あ…。



　お姫様ダッコされてるのは、和乃。


　そして、和乃を抱きかかえているのは、

　貴和………。



　ただただ驚く私の気配を感じたか、

　貴和の艶やかな瞳が、こちらを捕らえた。



　「レイ、こいつ連れてくから、
　三谷Cに連絡頼むよ。

　あと、今日、特別クラスだって。」


　「あ…、ありがと。」


　「動揺する必要ないからね。じゃ。」



　貴和って、何やっても絵になるよね。



　でも、そうか。

　和乃の彼氏だから、だよね。



・

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