psycho [TOP4] (ページ6)

今日:33 hit、昨日:5 hit、合計:114,352 hit

・ページ6

「ほお、Aね。」

「レトさんにしてはセンスいいじゃん。」

「やめろ。」

照れているのか乱暴にキヨさんの肩を叩いたレトルトさん。

A。

私の一目惚れした名前。素敵な名前。

「んじゃあ、A。これから話すことは絶対守れよ。」

頷かざるを得ないこの状況。

私の返答は聞かないまま牛沢さんは話を始めた。

「まー、守ってもらうのはたった一つ。

俺らが何をしようと口を出さないこと。」

「俺らはね、特殊な仕事をしてるんだ。」

「特殊な仕事…」

「殺し屋ー。」

「…そうですか。」

「え、驚かねえの？」

別に、何も思わないけど。

私が元いた場所もそれなりに特殊なところだったからそういった職業もあるんだろなとは思っていた。

「お前さ、何であんなとこで倒れてたわけ？」

「…優しい、色が見えて。」

「は？」

すごく怖い顔。何だか勘繰られてる気がする。

私は辺りをぐるりと見回してあの色を探す。

「あれ、です。」

「オレンジ？」

「おれんじ？」

「あれ、オレンジっていうんだよ。」

あの優しい色は、オレンジというのか。

黒や白や赤は知っていたけど初めて聞いた名前だった。

「なんか面倒くさい女拾ったなあ、」

そう呟いたキヨさんに私は心の中で頷いておいた。