psycho [TOP4] (ページ48)

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普通の板前に装った俺はキヨのいる部屋に持っていく料理を受け取った。

大きな場所だしそれなりに従業員もいるから俺一人入ったところでバレはしない。

「失礼します。」

上手く警戒心を解けているみたいだ。相手も笑顔で話をしている。

料理を置いて、俺はターゲットに挨拶をする。

それが合図だ。

「さ、終わりだぜおっさん。」

いま俺らのいる部屋は襖を隔てた向こう側にもう一つ部屋が存在している。

うっしーはそこにいたのだ。

キヨとレトさんは入口側にうまく座っていたからスムーズにいった。

うっしーがそいつの首に注射器を刺したとき、ターゲットは不気味な顔で笑った。

それに気づいたのは俺だけらしく、うっしーはそのまま押し子に手を掛けた。

「待って、うっしー！」

「え？」

まずい、遅かったか。

「おい、なんか隠してんだろ！」

慌ててそう声を掛けるけど有能なうっしーの作ったものだからすぐに意識をなくしてしまった。

「どうしたのガッチさん。」

「…さっき、笑ったんだ。こいつ何か隠してた。」

「うわ、まじか。」

「でも俺らに関係のあることか分からないじゃん。」

「そうなんだけどさ…。」

「ん？こいつ、インカムしてない？」

ターゲットに近づいたレトさんは、耳にはめてあったものを指さした。

うっしーがそれを外し、自分の耳に近づける。

「なんか、銃声するんだけど。」

「なあみんな、早く帰らね？」

キヨの顔が曇る。

「早く帰らねーとまずい気がする。」

キヨの悪い勘は引くほど冴える。

俺たちは裏口から急いで飛び出した。