psycho [TOP4] (ページ21)

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「A？何してんの。」

「ああ、これを部屋に置きに行こうと思いまして。」

「ふうん、そっか。

ねえ、この辺でペンダント見なかった？」

「ペンダント…もしかしてこれですか？」

「あ、そう！もしかしてさ、中身見た？」

「…いえ、見てません。」

相当見られたくないものだったのか、彼の雰囲気はあの仕事のときの雰囲気だ。

すっと細められた目に嘘は吐くなと意味が込められているように感じる。

それでも見ていないと答えた私はすっと横を通り抜けて部屋に入った。

使っていないクローゼットにお金を仕舞う。

何だか嫌な予感がする。

「さ、続きやるぞ。」

頷くと、牛沢さんはさっきの続きから丁寧に教えてくれる。

ひとつ、ひとつと覚えていくと牛沢さんは褒めてくれた。

でもそれがだんだん、どこか幼い子供を扱うようになっていった。

目はそこか虚ろで私を見てない。いや、見てはいるんだけど私に、私じゃない誰かを見ているみたい。

「ん、偉いじゃん。」

「牛沢さんのお陰ですよ。」

「何言ってんだよ、俺は…」

そこまで言いかけて彼ははっとなった。

「ごめん、なんでもねえ。」

「さっきの女の子、ですか。」

やっぱり気になるものは気になる。だから、聞いてしまった。

「やっぱ見てんじゃん。」

私を睨んだ牛沢さんに、何だか笑えてきた。

思わずふふっと笑えば軽く怒られる。

「初めて笑ったと思ったらこんな場面でかよ…」

牛沢さんはポケットからさっきのものを取り出した。

ペンダント、とか言ったっけ。