psycho [TOP4] (ページ19)

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「牛沢さん、あの、私字が読めないんです。」

「え？！そんなことある…？」

「すいません、」

「んー…いまちょっと時間ある？」

「はい。」

じゃあ着いてきてと、牛沢さんは私をリビングへ連れて行った。

風呂を済ませて部屋着に着替えた3人が一瞬私たちを見たけどすぐに自分のやっていたことに意識を戻した。

椅子に座らされて、目の前に置かれた紙とペン。

「まず、これ持って。」

「どうやって、」

「ああー、こうだよ。」

私の後ろから手を握り、ちゃんとした持ち方を教えてくれる。

「うっしー何してんの。」

お菓子を片手にこちらに寄ってきたキヨさんは不思議そうに牛沢さんを見つめている。

「こいつ字の読み書きできねェんだよ。」

「はァ？！なに、馬鹿なの？」

「あー、すいません…。」

咄嗟に謝った私にキヨさんは面白くなさそうにソファへ帰っていった。

「それなりの事情があったんだよね、ほら俺も教えるから。」

牛沢さんとガッチさんは私に丁寧に教えてくれる。

なんだ、字を書くのってこんなにも難しいのか。

あ、から順番に書いていく。

ペンを持つのが下手くそなのかガタガタの文字が紙に並ぶ。

ん、まで終わるころには結構時間が経っていた。

「今日はここまでな、明日はまた違うこと覚えよう。」

「ありがとうございました。」

覚えることがたくさんあって正直頭はパンクしかけだけど、それでも知らないことを知れるのは嬉しかった。