6話 ページ8
「じゃあ!Aの復帰を祝して!!」
「「「かんぱーーい!」」」
『ありがとー』
うらたぬきの掛け声に合わせて七人でグラスを重ねる。
カーンといい音が部屋に木霊した。
『美味しー。久しぶりのお酒!』
「珍しいですね、お酒飲んでなかったんですか?」
Aの隣にほとんどくっつくような状態で座ったまふまふが、顔を覗き込みながら尋ねる。
『うん、1ヶ月間今回の曲を作ってたから飲めなかった。楽曲制作中はお酒飲むの嫌なんだー。』
「え?まさかあのアルバム一カ月で作ったの?」
まふまふとは反対の隣に座った坂田が慌てた様子で聞いた。
『そう、ずっとカンズメで、曲作って楽器弾いて動画作ってた。
久々に死ぬかと思ったよ。』
笑いながら冗談めかして言ってるけれど、多分本当に死ぬ気で作ったのだろう。
Aは命を削るみたいにして曲を作る。
自分の中の感情を切り出すように、思想を絞り出すようにパソコンに向かう。
何度か睡眠不足や栄養失調で倒れたことがあるので、昔は監視という名目で順番で皆が定期的にAの家を訪れていた。
まあ、ローテーションなど組まずとも皆Aのことが大好きだったから、時を問わず遊びにきて居たのだけれど。
普段のおちゃらけたイメージとは打って変わって、真剣な目つきでパソコンや楽器に向かっているAはかっこいい。
自分を削ってまで曲に向き合うAだったけど、心から楽しそうに曲を作るものだから、誰もやめろとは言えなかった。
「それで1カ月前にしばらく会えないっていうLINEをみんなに送ってきた訳?」
『そっ!今回は本当に1人だけで作りたかったからね。』
「びっくりしたよ。急に<しばらくうちに来ないで〉なんていうんだもん!」
志麻が呆れた、という顔をして笑った。
「まふまふなんて、<Aさんから家に来るなって連絡来た!どうしよう..俺嫌われたのかな!Aさんに嫌われたら生きていけない!>って泣いてた。」
「わあぁぁ!それは内緒って言いましたよね!!?」
秘密を暴露してしまったセンラの口を慌ててまふまふが塞ぐ。
『あはは!まふまふは可愛いなー』
一通りみんなで笑い終えた後、Aの目を見つめて真剣な顔でそらるが切り出した。
「ねえ、そろそろ聞かせてよ」
『んー何を?』
「活動休止した理由」
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ゆきうさぎ - コメント失礼します。作者様の負担になるようでしたら話は別ですが、僕は皆でハッピーエンドが良いと思います。 (2020年9月20日 1時) (レス) id: f935ff1209 (このIDを非表示/違反報告)
あお - 個人的にはhappyendが好きなのでhappyendが読みたいです…! (2020年6月15日 18時) (レス) id: 57a51dc74d (このIDを非表示/違反報告)
匿名主(´・∀・`) - 初めまして、失礼します。個人的にはhappy endが良いんですが…一回何らかの endで完結させてしまって、その後に場面分岐的な終わり方にすれば良いのではないか。と考えております。作者様に負担が掛かってしまいますし、上からで申し訳ないんですが…考えて頂ければと (2020年6月13日 21時) (レス) id: 610e5b95f1 (このIDを非表示/違反報告)
ペン - 初めまして、今日は。 秘かに読まさせて頂いてます。今更なのですが、 happyendが良いと思ってます。体調に 気を付けて更新頑張って下さい。 (2018年6月24日 11時) (携帯から) (レス) id: c5e8935b6a (このIDを非表示/違反報告)
にょむさん - 個人的にはHappy Endがいいです! (2018年6月17日 22時) (レス) id: c18b2f6fe2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紺碧 | 作成日時:2017年12月3日 21時