ホグワ−ツ卒業生が呪術師として無双する話【夢術廻戦】

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床に座り込んでゆっくりと息を整える。

その間ずっと悟は体力も体術のセンスも全く無い、これは問題だ、魔法にだけ頼ってたらいつか身を滅ぼす、とかなんとか言っていた。

なんか悟に言われるのはすっごいムカつく。

けど、当たり前だ。

杖がなくなったらただの一般人になるんだ。

もし呪霊と戦っている時に杖を奪われたり、折られたりしたら。

何も出来なくなってしまう。

呪具があったとしても、体力も体術のセンスもないから、逃げ切れたら奇跡、祓うなんて夢のまた夢だろう。

それがわかったからこそ、余計に悟の言葉が痛かった。


あとさっき転んだのと呪霊に引っ掻かれたのの傷も痛い。





｢まあ、急に背中押したのは悪かったと思ってるよ。

ぶふっ、そのまま転ぶとは思わなかったけど｣

『まだ笑ってんの……』

｢ごめんごめーん、面白くてさ。


さあ、まだ上の階に何体か呪霊いるけど、怪我させちゃったしあとは僕と守護霊で祓うよ。

怪我の治療は高専でうけれるから安心して。

で、そろそろ立てる？｣

『ああ、怪我は自分で治せるよ。

エピスキー(癒えよ)』





杖を怪我した腕に向けて呪文を唱えると、すぐにすうっと傷は癒えていった。





『ほら、一瞬で治った』

｢治療も出来るのか…………チートじゃん｣

『ちなみに、今みたいに一瞬で傷を治せる薬もあるよ』

｢その話、後で詳しく。

じゃあ、残りを祓おう｣





傷は治ったが体力はあまり回復していないため、立ち上がろうとしたら生まれたての子鹿のように足が震えてしまった。

それを見て悟はひとしきり笑った後、笑いすぎて出た涙を拭きながらおんぶしてくれた。

申し訳なさとムカつきが混ざりに混ざってすごく変な気分になった。


そして、残っていた呪霊は全て守護霊が(おいしそうに)食べて祓った。


伊地知さんが待つところへ戻ると、おんぶされている私を見てめちゃくちゃ心配された。

ちょっと心が癒された。

でも、ぐふぐふ笑いながら何があったか説明した悟を見て、またすごくイラついた。





(呪具って案外重いね)

(そんなことないでしょ、軽いよ)

(うーん、私杖より重い物持ったことないから)

(……それ冗談？)

(冗談だよさすがに)

(Aが言うと冗談に聞こえないよ)

((結構マジとか言えない))









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【呪文の紹介】

〈エピスキー 癒えよ〉
軽い傷から骨折まで幅広く治療することが出来る。

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