Powder Snow 4 〜御曹司との恋〜

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「魔法のビスケット、すごい！
昨日もバイオリンの先生が褒めてくれたの！」






それは、お嬢様が きちんと練習なさってるからですよ。




習い事の無い日は、こうして庭に出て
お嬢様のバイオリンに耳を傾ける日々。


お嬢様は、あのビスケットのおかげだと思っているみたいだが、
日々の努力のお陰か、日に日に上達していくバイオリン。







「…………ねぇ、ビスケット…まだある？」


「なにか願い事でもあるんですか？」


「うん…、、あのビスケット、食べたら……、」






隣に並んでいたはずのお嬢様は、
向かいに ちょこんと座り直し…








「お友達、、出来る…？」





不安気なお顔を覗かせた。





………友達、、か。
大丈夫かな、、




内気なお嬢様、

きっと、御自分から
人の輪に入ることが 苦手なんだろう。







「お嬢様…、
ビスケットを食べると、勇気が出ます。
まずは、挨拶をするところから始めましょうか。」



「勇気…？挨拶、、出来るかなぁ…。
恥ずかしいな、、」



「大丈夫ですよ。
なんてったって、魔法のビスケットですから。勇気が湧いてくるんです。
後は、その出てきた勇気で 話しかけてみればいいんです。きっと、お友達になれるはずです。」






今までとは、少し訳が違う。
予測のつかない状況、、

今回は、難しいかもしれない、





それでも、なんとかしてさし上げたい。

一度も、お嬢様は、学校でのお話を
口にしたことが無い。

それがどういう事なのか、、
安易に想像出来るから…






「うん、頑張ってみる。」





素直で、可愛らしい方なんだ。
話さえ、、最初の取っ掛かりさえ作れれば、、
きっと、周りも分かってくれる。









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そう思っていた俺は、、
甘かったらしい。



日に日に塞ぎ込んでいく、お嬢様。








「お友達…、全然…出来ない。」




やはり、、難しかったか…







唇を噛み締め、俯くお嬢様。
その腕に手を伸ばし、跪いた。






「挨拶は、なさいましたか？
御自分から 話し掛けてみましたか？」



「………うん。挨拶は返ってくるけど、、」





今にも決壊しそうな瞳。






「誰も話しかけてくれないし、
誰にも誘われないの…、、」





環境の違いか？

それなりの家柄の子供達が通う学校とはいえ、
違い過ぎるのだろうか、、


妬み、嫉み…
この歳でもう、そんなもの経験しているなんて…

お嬢様のストレスは、
おそらく、限界…

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