・ ページ37
『また会える？』
クリッとした大きな瞳で
俺の返事を待つお嬢様を前にしたら、
首を縦に振るしかなくて…
あの日から、
俺は庭で お嬢様と過ごすことも、しばしば。
「りゅうじ、ごめんね。」
「……なにがですか？」
「ウメさん、とっちゃって…、、」
「りゅうじのお婆ちゃまなのに、
ママがいないから、私とたぁくんのお世話を
ウメさんが、いつもしてくれてる…」
「……あぁ、、いや…、」
「私、知ってるの！
りゅうじのママとパパも
お空に いっちゃったんでしょう？
寂しいのは、りゅうじも一緒なのに、、」
お嬢様と話をするようになって
わかったこと…
お嬢様は、心が綺麗だ。
大切に温室で育てられた、傷一つ無い 真っ白な花のよう。
優しくて、素直で…
脆い。
直己さんが、お嬢様の執事になった訳が
わかるような気がした。
「寂しい？」
「………」
「寂しい時はね、直己が一緒にいてくれるの。直己といると、私は安心するの。
りゅうじが寂しい時は、私が一緒にいてあげる。」
その小さな手で、
俺の手を取り、
「約束ね。」
小指を絡ませた。
ほんのりと、胸の中が
温かくなっていくようだった。
「……お腹、、空いちゃった、」
「屋敷に戻りますか？」
夕飯には、まだ少し早い時間帯
腰を上げ、制服についた芝を 手で払うと…
「りゅうじ、何か作って！」
ぴょん、っと立ち上がったお嬢様が
キラキラした瞳を俺に向けてきた。
「はっ！？……いや、無理ですよ、」
「どうして？りゅうじのパパ、
コックさんだったじゃない。」
どうして、って…
料理なんて、まともに作ったことないし、、
「りゅうじも作れるでしょ？」
「………。」
・
『お願い！』
そう言って、譲らないお嬢様に 根負けして、
屋敷のキッチンにいるわけだけど…
困ったな、、
まともに料理なんてしたことないのに
何を作っていいかわからない。
お嬢様はというと、
何が出てくるのか楽しみ、といった感じで
作業台の上に肘をついてニコニコと俺の姿を見つめている。
…………。
仕方なく冷蔵庫を覗き込む。
勝手にキッチン使って、俺 怒られないかな。
お嬢様に変なもん食わせた、って
叱られるかもしれない…
俺でも作れそうなもの…、
自然と キッチンに立っている親父の姿を
思い出していた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 3908人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「三代目JSoulBrothers」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
花(プロフ) - りょうちさん» そうなのー。今書いてるの書き始める前かなー？読み返してくれたんですね！ありがとうございます(*´▽｀*) (2017年9月13日 16時) (
レス) id: 4e300b94c6 (このIDを非表示/違反報告)
りょうち(プロフ) - 花さん！いつの間に更新してたのよー！嬉しいサプライズだよ(*^▽^*) (2017年9月13日 15時) (レス) id: e6319aab1f (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - らりるれろんさん» ありがとうございます(*^^*) (2017年8月31日 7時) (レス) id: 4e300b94c6 (このIDを非表示/違反報告)
らりるれろん(プロフ) - そうですよね(^^;臣隆のお話も読ませていただいてますよ(^^)楽しみです！あっ！遅くなってしまいましたがお子様お誕生日おめでとうございます*\(^o^)/* (2017年8月31日 4時) (レス) id: 4dde80cde4 (このIDを非表示/違反報告)
花(プロフ) - らりるれろんさん» PowderSnowはもうこれで終わりです。 (2017年8月30日 17時) (レス) id: 4e300b94c6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：花
| 作成日時：2016年11月19日 22時
