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「………いいぞ、刺しても」
『………はぁ?』
「俺をやれば、お前は自由になる。ああ…復讐なんてしねーよ、安心しろ」
『…………』
そのナイフはゆっくりとテーブルに置かれた
『…………嫌よ』
「………」
『照の事を………両親を追い詰めた借金の事も、私を雁字搦めにして離さない事も……許さない。一生ずっと許せるわけない』
「………だったら、」
『でも!だからこそ…… 恨むには……相手が生きてないと意味ないじゃない』
「……なんだそれ。こんな絶好のチャンス捨てるなんてよ……馬鹿な女だ」
『何とでも言ったらいいわ。でもね、そんな女をそばに置いてる、照も同じよ?』
「ふは、………それもそうだな」
『それに……あいつなんでしょ?私の両親を闇金に促した本当の悪魔は。事業の失敗もあの男が、投資詐欺に巻き込んだから』
「……さぁ?何のことだか」
『とぼけちゃって。私の手で復讐させてくれようとしたのね……照らしい』
「だから、俺は何も知らねぇよ。……それより、気分が変わった。一回抱かせろ、いいだろ?」
『はぁ?私、怪我してるのよ?他の女でいいでしょ?貴方が呼べばすぐ来るわ。私じゃなきゃいけない理由なんて、』
「はぁ……めんどくせぇ」
『な!……だから尚更別の人を、』
「……俺が抱くのはお前だけなんだよ。他に女なんていねぇ。変な噂に絆されてんじゃねぇよ」
『……う、そ…』
「誰が嘘なんかつくかよ。Aの世話で忙しいんだ。他を相手にしてる暇はねぇ」
『でも………抱いてる間に刺すかも』
「そんなヘマしねぇよ」
『………首絞めるかも』
「こんな細っい腕で?……滑稽だな」
『もう!ああ言えば、こう言うんだから……』
「もういいか?そろそろ限界だ」
『ねぇ、』
「ん?」
『………一生、許さないから』
「ふは………はいはい、分かってるよ。
……………"悪女"、様」
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激しく何度も求められたAは、俺の腕の中ですやすやと寝息を立てている
前髪をさら、と梳かせばあどけない表情に、出会った頃のAを感じさせる
「どこが悪女だか……
………俺には最初っから、ただの天使にしか見えねぇけど」
少し開いた桃色の唇に、そっとキスを落とした
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kae(プロフ) - 紫陽花さん» 紫陽花様、有難いお言葉感謝です😭怪しい彼氏も読んでいただけたのですね!嬉しい…似ているなんて本当に光栄な限りです。はるのちゃんは永遠に憧れの存在です。好き同士だと似てくるんでしょうか?😂こちらこそ読んでくださってありがとうございます!! (2022年8月25日 23時) (レス) id: ae2feaf230 (このIDを非表示/違反報告)
kae(プロフ) - ユッピンさん» ユッピン様〜!嬉しいコメントありがとうございます!実は私もまたさせていただけるなら…と期待しつつ🙏悪女について沢山の捉え方とストーリーをご提供できて楽しく書かせていただきました!ユッピン様の応援あってこそです。これからもよろしくお願いします! (2022年8月25日 23時) (レス) id: ae2feaf230 (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - 紫陽花さん» 紫陽花様、第1弾の方も読んで下さり有難うございます🙇ぜひ今後ともかえちゃん、そしてはるのの執筆活動を応援して頂けるとすごく嬉しいです☺️またお会いできますように…!! (2022年8月25日 23時) (レス) id: dbb7f3d4be (このIDを非表示/違反報告)
Haruno(プロフ) - ユッピンさん» ユッピン様、こちらにも感想を送って下さり有難うございます🙇😂私もコラボを受け入れてくれたかえちゃんには本当に感謝しています😢読んで下さったユッピン様にも、勿論多大なる感謝です🙇いつも素敵なコメントを本当に有難うございます…! (2022年8月25日 22時) (レス) id: dbb7f3d4be (このIDを非表示/違反報告)
紫陽花(プロフ) - 完結お疲れ様でした。怪しい彼氏に続いて今作も最高でした。共同制作なのに作風が似ていて、とても読みやすくて楽しませていただきました。素敵な作品をありがとうございました。今後もお二方の作品楽しみにしています! (2022年8月24日 15時) (レス) id: 990636348e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Haruno x他1人 | 作成日時:2022年8月10日 21時