天涯の巫女と付喪神様 二

番外編 元旦 ページ34

※本編とはあまり関係ありません
作者の描きたい衝動によって描いたものです







「ん？よっ、新年明けましておめでとう
鶴丸国永だ、今年もよろしくな！」

「ちょっと誰に挨拶してんの？」

「画面向こうの審神者達だ」

「は？」







はーい、俺、加州清光ね
新年明けましておめでとう、今年もたくさん可愛がってね、あーるじ

玄関前に置いた門松、扉に飾る正月飾り
俺達の本丸も新年を迎え
それの御祝いの為、元旦初日から
各々、着物を着用
相変わず、着物になっても白い鶴丸

死装束かよって思わずツッコミたくなる








「加州くん、鶴さん
そっちは終わった？」

「おう、光坊！
あぁ、飾り終わったぜ」

「黒‥」

「？」







着物の黒に眼帯、手袋って‥

アレみたいだよね、ほらよくあるじゃん
『てめぇ！何処に目ぇつけてんだぁ！あぁ！？
奥歯ガタガタ言わせんぞ！あぁ！？』的な

いてても可笑しくないよね

襷をかけてるから、お節の準備してたんだろうな、大倶利伽羅と







「こっち準備終わったから
二人を呼びに来たんだ
桔梗ちゃんの準備がまだ少しあるけど」

「そうか、まだ
振袖に手こずってるのか

ここはいっちょこの鶴丸様が手伝いに」

「鶴さーん？
手伝いなら大丈夫だからね？

桔梗ちゃんはちゃんと自分で《着れる》から」

「‥む、そうか」

「なに、残念がってるの、このえろじじい」








俺の冷たい目と燭台切の怒りを隠した微笑み
鶴丸の首根っこを掴み阻んでいた

おい、光坊
俺は猫じゃないと睨む鶴丸に
このまま僕と広間に行くよ
油断も隙もないんだから
そう言われながら連れて行かれる
その後ろ俺がついて行く

広間も正月めいた飾りが施され
桔梗以外、全員揃っていた
長方形に長い机の上には
腕によりをかけて作った料理が
並んでいた

祝日の祝い、一升瓶がちらほら
それと桐の枡、今日は酔いどれが増えそうな予感がした

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