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14話 月と夜愛(逢い) ページ15

寝静まった夜、桔梗のおかげで
少しずつ色を取り戻した空
一人酒、鶴を誘ったが
一期の薬研自慢に疲れたのか
もう床へつくと言い、話し相手にも
なってくれない
だから、1人で俺を月とし月見酒
この本丸は秋だというのに
虫の声は鳴かない、今だ死んでる
まぁ俺はすぐに開かずの間へ
入れられたからあまり分からぬが

くいっと傾けた酒が喉を通る
酒精が体を少しずつ酔わせていく

こんな時、誰かがいてくれたらと
静かな夜は寂しいな






『‥三日月さん?』

「その声は、桔梗か
起きて良いのか?」

『はい、もう大丈夫かと
ご心配おかけしました』

「そうか、だがまだ安心はするな
また倒れたら大変だからな」

『はい』





桔梗が薄闇の中、微笑んだ
静かな夜に音が鳴る
俺は桔梗を手招き、隣へ座らせる
夜風が身体に響くだろう
俺が暖めておいた
そう言いながら、俺の羽織を肩にかけた
すっぽりと収まる身体
三日月さんは寒くないですか?
桔梗の言葉に頷き
そっと、その頬を撫れば
少し熱が籠った

熱が上がったか?と聞けば
何も言わず首を横に振っていた
その仕草もとても愛らしい

おつぎいたしますね
そう言って、杯へ注いでくれる酒
自分でいれるよりも
さらに美味しくなる酒
俺を酔わせてどうするつもりだ?
杯へ口をつければ
ど、どうもしません//!と
恥ずかしそうに徳利で顔を隠していた
隠れてないが

あぁ、本当に愛らしい

開かずの間で出会い今日まで
ずっと桔梗と共に過ごしてきたが
これはこれは、困ったものだ






「桔梗も呑むか?」

『私はまだ未成年なので呑めません』

「あなや、人の子は未成年とやらで
酒を呑めぬのか?」

『はい、そうですよ
20歳になればご一緒に呑めます』

「20歳?はは、俺の20歳は
いつだったかな
確か、平安だったか?」

『ず、随分遠いのですね‥』

「桔梗は後何年だ?」

『えっと私は、後2年でしょうか』

「ふむ、2年か

そんなにも待つのか、それは寂しいな」

『え?』





2年待つと言うなら今、酒と言う味を
教えてやろう

そっと、桔梗の手を引き寄せ
閉じ込めた腕の中、腰を抱き離さない
その愛らしく柔らかい
桜色の唇へ重ねた

あぁ、どうやら
俺は本当に桔梗に酔っている
いや‥酔ってるのではない
溺れているのだ

静かな夜に月との秘愛

誰にも言えない

番外編 紅丸と金太郎、出会い頭殴る件について→←13話 甘いお薬を



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設定タグ:刀剣乱舞 , 恋愛   
作品ジャンル:アニメ
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ベスくん(プロフ) - 瑠璃さん、ハマってしまいました、なんと言うことでしょう、ずっとシャンパンゴールドが頭から抜けません(笑) 本のことは知りませんでした!なにぶん、ハマったの最近なんです! (2019年6月21日 1時) (レス) id: fe5bc9a228 (このIDを非表示/違反報告)
瑠璃 - ヒプノシスマイクハマりました?私は麻天狼派です!6月25に麻天狼とポッセ、B,BとMTCの本が発売、すでにTDDの本が発売されてます知ってたらすいません (2019年6月20日 19時) (レス) id: dab8dcba5b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ベスくん | 作成日時:2019年6月8日 23時

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