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49話 面影と追想 ページ49

ーごめんね、お母さんが
体弱いせいで…Aにも
移っちゃったわね…ー

そんな事良いんだよ
気にしないで、お母さん
熱を出した日は嬉しい
おかしいかな?だってお母さんが
側にいてくれるから

ー今日はうーんっと甘えてね
Aの側にお母さんいるから

ずっといるからねー

優しい声、優しい手が私の髪を
撫でる、懐かしい追想
うっすら目を開ければ
お母さんの面影が見えた





「おか、あさん…?」

「すまない、起こしたか?」

「膝、丸さん…?」

「あぁ、先程
江戸から帰ってきた」

「おかえり、なさい…」

「薬を採ってきた、今薬研が
用意している、もう少しの辛抱だ」





私の髪を撫でていたのは膝丸さんだった
お母さんに似てる優しい手
だから、その面影が見えたのだろう
熱に魘されてる私が見た追想は
幼い時の私、よく体を壊していた
そのせいでお母さんを困らせていた
でも、お母さんは
嫌な顔をせず、笑って髪を撫でてくれていた

今、膝丸さんが私にしてくれたように

それに懐かしさとほんの少しの寂しさを
抱かされた
冷たい手拭いが額に乗る
水を変えてくる、桶を持つ膝丸さん
不意に掴んだ服
少し驚いた膝丸さん、だけどまた優しい顔をして
どうした?と問いかけてきた






「そばに、いて…どこにも
いかないで…」

「!わかった、側にいよう

桔梗のそばに」

「ありが、とう……」





『ありがとう』の後に
呟いた言葉は俺の耳へ入ってきた
それは桔梗が恋しく堪らない『母』
俺に向けられて言われた言葉ではないが
熱に魘され、俺の姿を母と間違えて
言ったのだろうが
でも、それでもこの心は
何かを感じさせた、桔梗と出会い
また違う感情を抱かせられた
俺にはわからない、まだわからない
だけどこれからも
1日、1秒と刻む時間の中で
答えが見つかるだろう

眠る桔梗を見つめる、そっと伸ばした手
宵闇のような黒髪を
優しく撫でた

これからも共にいると
そう思いながら

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三三七拍子 - 源氏兄弟の名前のくだり、もうほんっと大好きです! (2019年6月26日 10時) (レス) id: fda3082ed3 (このIDを非表示/違反報告)
ノエル(プロフ) - オリジナルフラグ外せば違反にならないから、今のうちに外してしまおう? (2019年1月12日 16時) (レス) id: 9e58c80ee2 (このIDを非表示/違反報告)
夕美 - オリジナルフラグちゃんと外して下さい、違反です。ルールくらい確認しましょう (2019年1月12日 16時) (レス) id: a2860cc4ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ベスくん | 作成日時:2019年1月12日 16時

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