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35話 帰還と蘇生 ページ35

伏せていた顔を上げた
阿津賀志山に出向いていた
鶴丸さんたちが戻ってきた
私は咄嗟に駆け寄る
お帰りなさいと微笑めば
ただいまと微笑み返してくれる
桔梗、名を呼ばれる
鶴丸さんの手には迎えに行った彼が
しっかりと持たれていた
私は、はいと頷き受け取った

次は私の番
みんなが繋げてくれた
それをへし折る等ないように
私が頑張る番
胸に抱き、ここにいることを確かめる
大倶利伽羅さん
もう少しですよ、待っててくださいね
だから、私頑張りますね
そう思いを込め抱きしめた






「それで、大将どうするんだ?
本当に命懸けるような事やめてくれよ」

「兄者を甦したように
するのか?」

「いえ、護符はないのでしません」

「じゃどうするのですか?
大倶利伽羅殿を戻す術がないとでも?」

「…ないことはないですが
上手くいくかはわかりません
お爺様に教えて貰った陣術ですが
私が成功するかは私次第です
ですが、これを他に頼る術はありません
一か八かの賭けです」

「ちょっとそれ大丈夫なの?」

「どちらとも言えませんが
今はこの術に賭けるしかありません
何もせずにいるならば
私はどんな確率でもいいので
それに縋るだけです」






一つだけある
みんなが出向いている時
ふと、思い出した一つの術
それはお爺様に教えてもらった術
それを試す他にない
迷ってる暇など私にはない
やるべき事はただ一つ
だから、私には迷いなどない

抱きしめていた大倶利伽羅さんを
そばにいた薬研へ
私は木の枝で描く
霊力を込めた六星の陣

外に出ていた光坊が俺に尋ねる
あの子何してるの?
黙って見ておけ
俺は桔梗を見つめながら答えた
薬研が桔梗のそばへ近寄れば
淡く光る陣の中へ
伽羅坊を置いた
蛍の光の様に伽羅坊を包むその光
描いた陣に次々と溢れた

その光は俺たちまでも優しく
包み込み出す
とても優しい暖かい物だった

36話 蛍の光→←34話 阿津賀志山



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三三七拍子 - 源氏兄弟の名前のくだり、もうほんっと大好きです! (2019年6月26日 10時) (レス) id: fda3082ed3 (このIDを非表示/違反報告)
ノエル(プロフ) - オリジナルフラグ外せば違反にならないから、今のうちに外してしまおう? (2019年1月12日 16時) (レス) id: 9e58c80ee2 (このIDを非表示/違反報告)
夕美 - オリジナルフラグちゃんと外して下さい、違反です。ルールくらい確認しましょう (2019年1月12日 16時) (レス) id: a2860cc4ee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ベスくん | 作成日時:2019年1月12日 16時

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