天涯の巫女と付喪神様

34話 阿津賀志山 ページ34

金属音が鳴り響く
遡行軍との鍔迫り合い
受け止めた刀を力いっぱい
押し返す
怯んだ所へ素早く駆けその身を
斬りつけた
血飛沫を上げる遡行軍
止めの一撃を刺し貫けば
不敵に笑う
紅白揃った俺を見たんだ…
後は死んでもめでたいだろう
そう言い引き抜いた
白い衣装にべちょりとついた血
刀を振り払い血を落とした

鞘へ一旦しまい、辺りを見渡す
ここにはいないか…そう呟く
一体どこにいるんだ、伽羅坊
今だ見つからない大倶利伽羅へ
思いを馳せる
鶴丸殿！
名が呼ばれる、そちらへ目をやれば
一期が駆け寄ってくる





「こっちは片付いた
そっちは？」

「こちらも
三日月殿たちと合流しましょう」

「あぁ、そうだな
伽羅坊は見つかったか？」

「いえ、おりませんでした
もしかしたら
奥地へいるかも知れませんね」

「俺もそう思う
三日月たちと合流して
作を練ろう
必要以上に戦ってもこちらの
体力が持ってかれる
消耗戦は避けたい」

「そうですな、迂回路を探しながら
奥地へ赴きましょう」





歩きながら一期と話す
帰り道に遭遇した遡行軍は
蹴散らす
はぐれた場所まで戻れば
そこにいた三日月たち
現状報告すれば、次の行動を考える
これ以上、体力ばかり持っていかれては
困る話だ
それで、鶴丸どうする？
この辺りはいないと言うことは
もっと奥だろう
膝丸の言葉に頷いた

迂回路を探しつつ
奥へ目指そう
悪いがもう少し付き合ってくれ
俺がそう言えば
では、進みながら
迂回路を探し奥へ目指しましょう
一期がそう言う
はいはい、了解っと
加州が返事し先へ歩き出した
それに続くように
俺達も歩き出した

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