天涯の巫女と付喪神様

24話 暖かさに触れて ページ24

ちょんちょんと
綿を当てられる私
痛い…そう思いながら
大人しく手当てされる
薬研様が
斬られた場所にガーゼを
当ててくれる
器用に包帯を巻くその手を見て言う

器用なんですねと言えば
そうか？
ありがとよ、そう言いながら
くるくる巻いていく包帯
薬研様の体を見る
傷だらけ、お手入れされずに
今日ここまで生きてきたと思うと
綺麗に治してあげたい
そう思った

薬研様が包帯を巻く手に
そっと自分の手を添えた

目を閉じた

綺麗になりますように
そう言いながら
込めた霊力、優しい淡い光が
俺を包んだ
少し驚いて女を見た
目を閉じているが、その表情には
微笑みがあった

暖かいな…
素直にそう思った
徐々に治る俺の傷や服の痛み

女と目が合えば
優しく微笑まれた
それに胸が弾んだのはきっと
何かの間違い




「手当てのお礼です」

「悪くねぇお礼だな、ありがとよ

大将」

「大将？」

「あぁ、大将」

「大将…」

「？」

「大将………大将！？」

「お、おう、大将だろ？」

「私、大将にはなれません！

戦国大名でもないし平々凡々な私ですし
戦場とか出たことないし
天下統一なんて出来るかどうか…

私が、大将だなんて
そんな無理な話です！」

「………はぁ？」

「あははは！なんだそれ！
桔梗、君俺達を笑かすのが上手いな！
あははは！ひぃー腹痛てぇ！」

「可愛いね、桔梗
大丈夫、僕が守ってあげるからね」

「ただの阿呆だ…はぁ」

「うむ、桔梗
俺達が守ってやろうな
目指せ、天下統一」

「あはっ…あはは！」






大将呼び、それは俺の主として
認めたって事だが
まぁ、言わんでおくか
なんか、面白いしな

困惑してる大将を見て笑った

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