天涯の巫女と付喪神様

2話 目が覚めたその先 ページ2

古ぼけたお屋敷

音もなく少し怖い
それに、血の跡だろうか、赤黒い
それも最近の物

そう言えば私、ここに来る前
何してたかな？
思い出そう

確か、学校から帰ってる時
後ろから誰かに突き飛ばされた、そんな感じ

トラックの音が聞こえて
でも、当たった感じがなくて

知らない声が頭に聞こえた


ー可哀想な娘、毎日毎日、罵られ必要とされず挙句の果てに同じ家の娘と母親に、虐げられ妬まれ、忌まわしき娘と呼ばれる娘ー


誰…？あなたは


ー毎日、お前は私の場所に来ては泣いておった事に胸を痛めていた

お前をもう、誰の手にも触れさせられない場所へ、お前を必要としてくれる場所へ

私の生まれ変わりであるA
お前は私、私はお前ー


私は貴女？貴女は私？


ー同じ『桔梗』としてお前を見捨ておけない
清く、美しい心を持つA
お前の力を必要としてる彼の者たちの元へー






「私は生きてるの、かな
でも、痛みもないしどこも怪我してない

あの声は『桔梗』さんの声だったのか」







首から下げてる桔梗の花が描かれてる紫の珠
愛崎家代々、次期当主が受け継ぐ紫の珠
お爺様が亡くなる前に私に渡してくれた形見

愛崎家は巫女の家系であり、有名な巫女『桔梗』と呼ばれた女性を、崇め奉っている
300年に1度その『桔梗』の生まれ変わりが生まれると言う

お爺様が言っていた
それが、私だと
だから、この紫の珠と『桔梗』の名を私に受け継がせた

そして良く私は家の裏にある桔梗さんを祀っている社に行けば、1人夜な夜な泣いていた







「桔梗さん、助けてくれてありがとう」







珠を両手で握る

そんな時、うげ！？ゆ、ゆゆゆ幽霊！？
そう声がして振り向いたら
スーツを着たお兄さんが二人そこにいた





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