第120話 ページ25
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暗闇に動揺が広がるのが分かる。、
劉輝は素早く気配を確認した。
一人……二人……総勢五人。
劉輝は気配を拾って手近な相手から殺しにかかった。
鋭い剣を繰り出された相手は驚いた。
かろうじて受けるも、次の一撃で絶息する。
「……っ、これほどの腕とは聞いていないぞっ」
小さく声が上がる。
声の位置で心臓の場所はつかめる。
劉輝はすかさず声の方へ短剣を投げた。
断末魔の悲鳴が上がった。
____残り、三人。
本気で襲いかかってきた残党はなかなか手強かった。
だが今回ばかりは相手が悪かった。
劉輝はあっという間に二人を斬り捨てた。
そして最後の一人。
足払いし、倒れたところに狙いをつけて剣で貫く。
声からして上手く左肩あたりを縫い止めたようだ。
____だが、すぐには死なせない。
劉「____Aは、どこだ」
ぞっとするほど冷ややかな声は、多くの修羅場をくぐってきた兇手でさえ恐怖を覚えたほどだった。
劉「どこだ」
言って劉輝は無表情に逆手に握り込んだ柄を回す。
肩を抉られた兇手は悲鳴を殺し、空いた右手に忍ばせた短剣で自らの首を掻き切って絶命した。
そのとき、不意に重い着地音が立て続けに二度した。
低い声が堂内に響く。
「____ここだよ。あんたが言った方じゃないけど、お姫様はここにいるぜ」
耳障りな声だった。
まだ仲間がいたのだ。
劉輝は神経を研ぎ澄ませた。
確かに、前方の闇の中に二人分の気配がした。
劉「……本当に、紅貴妃か?」
「ああ。あいにく声を奪ってるから聞かせられんが。さて、得物を捨ててもらおうか」
.
.
ち、ちがーーーーーーーうっっ!
そのときわずかに離れた上方の闇の中で、秀麗は一人奮闘していた。
柱か何かに縛られたままの秀麗は、下へ降りた兇手二人が、劉輝を騙して殺そうとしていることに気づいて青くなった。
しかし再び口に布を巻かれてしまったため、叫ぶこともできない。
得物を捨てろというだみ声のあと、間をおいてカランと何かが転がる音がした。
劉輝が剣を投げたと知って、秀麗はいよいよ焦った。
ああバカッ!違うんだってば!!
そっち行ったのは二人ともあんたの命を狙ってる兇手じゃないの!!
ああっもうこの布ったら!!
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咲くや - 面白くて続きが気になります 更新頑張ってください。 (2021年4月30日 0時) (レス) id: 2369d330ed (このIDを非表示/違反報告)
フローラ(プロフ) - ラフェルさん、ありがとうございます!!更新できなくてすみません。時間が無かったり、学生として忙しかったりするので、なかなか出来ていないのが現状です。申し訳ありません!出来るだけ頑張ります。 (2020年6月22日 14時) (レス) id: 81545e79a5 (このIDを非表示/違反報告)
フローラ(プロフ) - すみません、分かりにくかったでしょうか?オチは決まっているので、お話が進むのをもう少し待っていただけると嬉しいです (2019年6月1日 8時) (レス) id: 36855b5a89 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - オチは決まってるんでしょうか?なんだか先が見えなくてモヤモヤします。 (2019年6月1日 7時) (レス) id: e7610b422d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フローラ | 作成日時:2019年4月20日 16時