第106話 ページ11
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「あなたなんでしょう!」
女の、怒鳴り声だった。
絳攸は思わず顔をしかめた。
____これだから女は嫌いなのだ。
きんきんわめくあの声が、絳攸は何より嫌いだった。
____まあ、A殿の声はなんと言っていても、素敵なんだが。
「あのかたが…____頼って……を____拾われたから____!」
絳攸の勘に引っかかるものがあった。
すぐさま途切れ途切れの声のする方角へ向かう。
不思議なことに相手の声はまるで聞こえなかった。
「____なぜ邪魔をするの!」
怒声が、突如呪詛のごとき声に変わった。
「それがあの方のお望みなんでしょう!?私だって____お役に……そのためなら____!」
不意に、女の声が途切れた。
絳攸は嫌な予感がして、当たりをつけて部屋の扉を蹴り上げた。
中には女が一人、倒れていた。
他には誰もいなかった。
不審に思いながらも女を抱き起こした絳攸はぎょっとした。
この____女は。
絳攸はすぐさま声を張り上げた。
絳「誰か____いないか!紅貴妃の部屋を調べろ____!」
貴妃の部屋の近くにいた衛士たちが中に飛び込んできたときには、秀麗の姿はどこにもなかった。
そしてまた、衛士の中に静蘭の姿もないことに皆が気づいたのは、ややたってからのことだった。
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咲くや - 面白くて続きが気になります 更新頑張ってください。 (2021年4月30日 0時) (レス) id: 2369d330ed (このIDを非表示/違反報告)
フローラ(プロフ) - ラフェルさん、ありがとうございます!!更新できなくてすみません。時間が無かったり、学生として忙しかったりするので、なかなか出来ていないのが現状です。申し訳ありません!出来るだけ頑張ります。 (2020年6月22日 14時) (レス) id: 81545e79a5 (このIDを非表示/違反報告)
フローラ(プロフ) - すみません、分かりにくかったでしょうか?オチは決まっているので、お話が進むのをもう少し待っていただけると嬉しいです (2019年6月1日 8時) (レス) id: 36855b5a89 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - オチは決まってるんでしょうか?なんだか先が見えなくてモヤモヤします。 (2019年6月1日 7時) (レス) id: e7610b422d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:フローラ | 作成日時:2019年4月20日 16時