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_kwkm ページ36
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「…もう一回」
「…好きです」
ニタリと笑みを浮かべた彼は再び“もう一回”と続けた。
「…何回言わせるつもりでしょうか…」
「んー…何回でも。Aが照れて言えなくなるまで?」
しれっとそう言っている彼だけど、私はそんな彼の耳が赤く染まっているのに気付いている。
気づいているが、それをいじり倒したら十中八九返り討ちになるので口に出すことはしないけど。
「それは…」
「ん?どしたん?言えへんの?」
口元に描かれている弧を見ると、おおよそ私が気付いていることに拓朗は気づいていないのだろう。
少しだけ余裕そうな表情を浮かべる拓朗は、私の頭をそっと撫でた。
「…すきだよ」
普段あまり“好き”だといわない私にこんなにもそう言われると、拓朗も少しは照れないのだろうか。
「…もう一回」
小さくだけどそうつぶやいた拓朗に私は思わず聞いてしまった。
「なんでそんなに言ってほしいの?」
「…いつも好きとか言ってくれへんから」
“こういう時に、言われ溜めしとこと”
そうつづけた拓朗の顔はさっきよりも赤く染まっていた。
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