サンタも貴方に_kwmr ページ25
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「河村さん!今日もお美しいですね!」
「ありがとうございます」
神とも崇拝されている河村さんだけど、実は私の彼氏だったりする。
大人びていて、どことなく達観していそうな彼の世界観。
同じ世界を見てみようと、何度も何度も背伸びしてみた。
でも、彼の独特な世界観に私の思考が追いつけるはずもなく、最終的にはあきらめてしまう。
「そのままのあなたが一番ですよ」
そんな風に言われたら頷くしかないじゃいか。
「…Aは…サンタコスですか。今日はクリスマスですもんね」
「はい。…似合いますか?」
私がそう尋ねると、彼は優しく私の頬を撫でてくれる。
「…ええ、とても」
しかしその瞳には、あきらめにも似た感情が紛れているのを私は見逃さなかった。
「どうしました?」
私が聞いても、彼は首を横に振るだけで答えようとはしなかった。
「今日は私がサンタクロースなんですから、ご要望があれば言ってください。プレゼントはご用意しますよ」
私が笑顔でそういうと、彼は小さくだけど確実に、ため息を漏らした。
「そういうの、無意識ですか?」
「…へ?」
彼はそういうと、私を優しく押し倒す。
「…そうですね、プレセントはサンタさん。…あなたが欲しいです」
そんなセリフも、貴方が言えば美しく聞こえてしまうくらいには
「いいですよ」
私は、貴方に溺れているのですから。
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