場所なんて関係ない_sgi ページ22
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世間のリア充たちは今日、イルミネーションなるものを身に行き、イチャつくのがセオリーなのだろうが、あいにく俺たちのような研究者にはそんな概念が存在しない。
「須貝、これについて聞いてもいい?」
物理研究者はなかなか白衣を着ない_それは紛れもない事実。
実際、彼女は今、セーター姿でパソコンに向き合っているのだから。
「ん、どこ?」
「この論文のここ。これ解釈できればもっといい研究テーマ決められるはずなんだ」
研究室の他のメンバーは俺たちに気を使ったのか何なのかよくわからないけど、みんな揃って昼食をとりに研究室を出て行った。
「…Aはさ、クリスマスどこかに行きたかったとかある?」
俺がそう尋ねると、彼女は一瞬タイピングをやめる。
すぐにまた、猛スピードでタイピングを始めるけど、俺には一瞬止めた理由がわかってしまった。
「…そりゃ、人並みには思うけど」
タイピング音に紛れそうなくらいの声量でそう言った彼女に、やっぱりそうだよなぁと思わず息を漏らした。
「でも、駿貴と過ごせるなら、私はどこだっていいから」
「っ…」
彼女の言葉に、今度は息をのんでしまった。
こいつはどこまでずるいんだ。
「あれ、駿貴は違った?」
タイピングをやめ、俺の方を向き、首を傾げるAを思わず抱きしめた。
「俺もそうにきまってるよ」
君の言葉が胸を打つ_kwkm→←サンタさんの正体は?_fkr
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