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問いかけ ページ14

「ここでやることが終わったら、外に出るの?」

しばらくして、月宮はそう聞いた。

「...はい。」

静かにそう答えた炭治郎に、月宮は続けた。

「そう。私も早く外に出なきゃ。」

「この村から出る予定があるんですか。」

驚いて炭治郎がそう聞くと、月宮は静かに答えた。

「そのうちね。」

そう言って、月宮は新しい布を取り出し、ハサミを持った。

「....私はね、鬼が嫌いなの。」

そう言いながら、布にハサミをあてがった。

「この家に生まれてから、私はずっと鬼ばかり見てきた。だから知ってるの。鬼の、一番深いところ、一番醜いところを。」

ざくり。

「あれは、この世にあっちゃいけないものなの。あれを消さない限り、この世界に安楽はない。」

ざくり、ざくり。

「あれを消すことが、私たち”人間”の使命だと私は考えているの。」

ざくり、ざくり、ざくり。ざくり。

「あなたは.....。」

月宮は一度手を止めて、炭治郎を見た。

「あなたは、ちゃんと人間?それとも鬼?」

その目を見て、炭治郎は思った。

(まただ。また、この匂い。誰よりも強い匂い。いろんな匂いが、ごちゃ混ぜになった匂いだ。ぐちゃぐちゃで......。)

ざくり。

(こっちまで頭がおかしくなりそうだ。)

「あら、切りすぎちゃった。」

手元の布を見て、月宮はそう言った。

「そろそろ終わりにしましょうか。」

ちょうど、出雲さんの足音が聞こえてきた。









その日の夜、村を巡回しながら炭治郎は考えた。

『あれを消すことが、私たち”人間”の使命だと私は考えているの』

『それはひとえに、あのお方が狂ってしまわれたからです。』

『ち、がう。違う、違う。私は、私は......人間だ!』

「......狂ってる。」

その言葉の意味が、炭治郎には何となくわかった気がした。

(あの人は、自分を鬼だなんて思っていないんだ。)

それは、普通のことじゃない。

けれど、そうでなきゃきっと彼女は生きていけなかったんだろうとも思った。

(もし、俺が鬼になったら、俺は、それを受け入れられるんだろうか。)

「.........。」

炭治郎は月を見上げた。

月は今夜も、この村を照らす唯一の光だった。

最後の夜→←袋



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フジッピー(プロフ) - かなとさん» すみません。言われるまで気が付きませんでした。ありがとうございます。 (2019年9月19日 0時) (レス) id: 7e2904e8b4 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい。違反だという意識はないんですか? (2019年9月18日 12時) (レス) id: bb9d67c977 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フジッピー | 作成日時:2019年9月18日 12時

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