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「出雲さん。」

突然響いた声に炭治郎の心臓が飛び跳ねる。

「出雲はここにおりますよ。いかがなされましたかな巫女様。」

出雲さんが襖を開けると、そこには今まさに話に出ていた月宮さんがいた。

「糸を切らしてしまったの。」

「おやおや、それでは私が買ってまいりますので、巫女様はここで。」

「いつもごめんなさい。私が病気じゃなければ.....。」

病気、その言葉に炭治郎は思わず月宮さんを見上げた。

(病気?鬼は不老不死なのに、病気になんてなるわけ....。)

そんな疑問をよそに、出雲さんと月宮さんの会話は続く。

「いえいえ。巫女様のお身体が第一です。それでは、半刻ほどで戻ってまいりますので。」

部屋から出る前に、出雲さんは炭治郎と禰豆子の方を向いていった。

「そうじゃ巫女様。こちらの客人に袋作りを手伝ってもらってはいかがですかな。」

「袋作り?」

炭治郎が言葉を繰り返すと、出雲さんは待ってましたといった様子で笑った。

「気になりますかの。巫女様も、話し相手がいた方がはかどりますじゃろ。」

「.....そうね。」

すこし考えてから、月宮さんは無表情でそう答えた。

良いことです、と出雲さんは頷いた。

「考え事ばかりしても、息がつまりましょう。お歳も近いでしょうし、外の話をお聞きになられては?」

いいですかな、と問いかける出雲さんに、炭治郎は頷いた。

「では、わしはそろそろ。」

「ええ、いってらっしゃい。」

そう行って、出雲さんは出て行ってしまった。

残された炭治郎と禰豆子はぽかんとして、月宮さんを見つめた。

「では、こちらへどうぞ。」

そういって月宮さんは二人を社の奥へと招いた。





彼女についていきながら周囲を見渡す。

(柱や壁、いたるところに傷が残ってる。古いものもあるし、何度も鬼に襲撃されたんだろう。)

そして、先ほどは気がつかなかったが、この社や別の建物をつなぐ通路には必ず、屋根がついている。

背の高い草木で生い茂っているところや、のれんがかかっているところもある。

(たぶん、日の光を遮るためのものあんだろう。)

常に薄暗いこの村の気候と、これらの日よけがあるおかげで、月宮さんも禰豆子も安心して神社の中を移動できた。

「ここです。」

そういって、月宮さんが襖を開けた先の部屋には、壁一面に布の入った棚と大きな作業台があった。

入り口や作業台の上にあるろうそくに火をつけ、月宮さんは言った。

「さあ、作業を始めましょう。」

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フジッピー(プロフ) - かなとさん» すみません。言われるまで気が付きませんでした。ありがとうございます。 (2019年9月19日 0時) (レス) id: 7e2904e8b4 (このIDを非表示/違反報告)
かなと - オリジナルフラグをお外し下さい。違反だという意識はないんですか? (2019年9月18日 12時) (レス) id: bb9d67c977 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:フジッピー | 作成日時:2019年9月18日 12時

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