69 JK ページ19
「っ、そこを、どいて…!」
気まずすぎる俺を救ったのは、テヒョンイヒョンの彼女の頭突きだった。ちょっとだけしゃがんだ彼女の頭が俺の顎にクリーンヒットして、俺が痛みと驚きでたじろいた隙に部屋の奥地へと走っていった。
…俺の足元に携帯のお土産を残して。
ゴトッ、と派手な音を出して落ちた携帯が、タイミングよく振動で電話を知らせる。まだ少し痛む顎を擦りながら彼女の携帯を拾うと、通知画面には日本語で、名前が表示されていた。
テ、ヒョ、ン、さ、ん…テヒョンイヒョンか。ヒョンからの電話だと分かった彼女が、携帯を持つ俺を見てまた迷惑そうな顔をする。だから、その顔がムカつくんだってば。腹いせに、通話ボタンを押して耳に携帯を近づけた。
ーーもしもし、A?ちゃんと帰れた?
ヒョンの優しい声。こんな声聞いたことないし、やっぱ彼女ーーAさんにはデレデレなんだ。なかなか返事が返ってこないのを怪しんだのか、ヒョンがもう一度A?と呼びかけてくる。
『ヒョン、俺です。』
『…………は?ジョングガ?』
状況を読み込めないであろう、テヒョンイヒョンのぽけっとした声。はい、と返事をすると、ヒョンの醸す空気が冷たくなるのが電話越しでも分かった。
『お前、なにやってんの』
『ヒョンが聞く気持たないから、こっちに話そうと思って。』
『はぁ…何ムキになってんの、ジョングガ。…………今なら怒らないから。ホテル戻って』
『……』
『戻れって言ってんだよ。』
キツいヒョンの言葉に、俺が悪いって分かってるのにイライラしてしまう自分が子供だなと思う。分かってる、分かってるけど。ヒョンに、分かって欲しい。…これじゃまるで、駄々をこねる子供だけど。
『雨が止んだら帰ってって言われました。……まだ、降ってます。』
『おい、ジョングガっ』
無理矢理通話を切って、Aさんに投げられたタオルで髪を拭く。チラっと横目で見ると、まるで警戒して毛を逆立てた猫のようなAさんが目に入った。
「……なんですか」
「!日本語…」
「すこしくらい、できます」
あまりにジト目で見られるものだから、気まずい。絶対気を使って話してやらない、と思っていた日本語を口にすると、Aさんはかなり驚いたようで足を滑らせてソファに倒れ込んだ。…鈍臭。
ーーー
ディレイだのフェスタだのに追われて(?)バタバタしていました。笑
ジョングク編、ゆるゆる続いていきます!
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るめ(プロフ) - ジャスミンさん» ジャスミンさん、すごくすごく嬉しいコメントをありがとうございます…!テヒョンの持つふわふわしていて優しい雰囲気で幸せなお話を書きたいと思っていたのでそう言って頂けるとすごく嬉しいです^^!これからもお暇な際にぜひお付き合い下さい! (2019年10月14日 1時) (レス) id: c680f383ae (このIDを非表示/違反報告)
ジャスミン(プロフ) - なんかもう、ずっとずっとこのお話の2人を読んでいたいし 幸せ気持ちになるし何度も何度も読み返しました(;_;) 癒しをありがとうございます更新楽しみにしてます。るめさんの文章力、文才、表現力に乾杯(;_;) (2019年9月28日 2時) (レス) id: a2850f3adc (このIDを非表示/違反報告)
るめ(プロフ) - 千晃さん» 千晃さん、そう言って頂けてすごくすごく嬉しいです^^* まだ少しこの2人のその後のお話は続いて行きますので、よければお付き合いください!コメントありがとうございました! (2019年6月19日 20時) (レス) id: c680f383ae (このIDを非表示/違反報告)
千晃(プロフ) - もっとこのお話読んでたいです!!続きも楽しみにしてます!!!!! (2019年6月17日 17時) (レス) id: 541a949c76 (このIDを非表示/違反報告)
るめ(プロフ) - ねおさん» ありがとうございますーー!!そう言って頂けるのが一番の更新の励みになります!コメントありがとうございました。これからもお暇な時間に読んでやってください♪ (2019年6月14日 2時) (レス) id: c680f383ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:るめ | 作成日時:2019年5月15日 1時