迷えるあなたに ｰStrayKidsｰ

. ページ41

.

HJ｢僕はこの先の警察署の、ファンヒョンジンです。今は深夜の見回りをしていたんですよ。まずは、あなたのお名前から聞いても大丈夫ですか？｣
『はい……名前はAです。それでさっきは、ストーカー、のような人に突然腕を掴まれて……』

話せるようになった、と分かると、それでも私に常に気を遣ってくれながらヒョンジンさんは事情を聞いていった。

そうやって、話をしているとき。

HJ｢では次に、その男の外見などの特徴を覚えている範囲で大丈夫なので教えてもらえますか？｣
『外見……は……？』

怖さでパニック状態だったからよく見ていなかったのもある、でも。
あれだけ引き寄せられて、多少なりとも見ていたはずなのによく思い出せない。
まるでだんだん、頭がぼーっとしてきているような。

『……すみません、あまりよく見ていなくて』
HJ｢無理もないです、気にしないで下さい。
……Aさん、どうされました？大丈夫ですか？｣
『急に頭がぼーっとしてきてしまって……なんでだろう……』

強烈な眠気もきて、自分の身体がよく分からない。いくら警察の人が横にいて一気に安心したからってこんな気の抜け方はありえない。
そう思ったのに、ヒョンジンさんは特に驚きもせず、飄々としていた。

HJ｢ああ、きっと僕に事情を話したことで起こったことの整理ができて、一気に落ち着いたんだと思います。僕の肩で少し休みますか？｣
『へ、いやそれはさすがに…』
HJ｢この後、署でもう一度別の警官に話をしてもらってから色々と手続きをしなければいけないのでさらに疲れる事は間違いないと思います。
今のうちに休んでいかれた方があとの事を考えるといいと思いますし、僕のことは気にしないで下さい｣

なんでこんなにここで少し寝ていくのを勧めてくるんだろう。

小さな違和感はあったけど、もう目を開けているだけでも精一杯だし、素人の私がとやかく言うよりも、私みたいな人も過去にも見てきたであろうヒョンジンさんの意見の方が重みもあったから、ここは大人しく少し寝ることにした。

『……すみません、本当に少しで大丈夫なので』
HJ｢はい、適当な頃合いで起こしますよ｣

それを聞いてから、完全に目を閉じた。

意識が遠のく前の最後の記憶は、

HJ｢おやすみなさい、｣


｢｢いい夢を｣｣



.

HJ&HN:黒幕(After)→←HJ&HN:黒幕

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す