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FL side
寒くなってきた夜道に一人でピザ屋の前に棒立ちで待つこと5分ほど。
『ピリ!ごめんお待たせ!』
大きなピザの箱を抱えたAが、店から飛び出してきた。
FL「そんなに待ってないから大丈夫だよ……この人は?先輩?」
とりあえずAからピザの箱を受け取って、マフラーを直すように言う。それからようやくAの後ろに立つ男性に気がついた。
『あ!今日朝話してた先輩だよ!ほらピリ会ってみたいって言ってたでしょ?』
FL「ほんとに会うとは思ってなかったよ?
初めまして、Aの幼なじみのフィリックスです」
BC「同じバイト先のバンチャンです。よろしくね、フィリックス君」
気さくに挨拶してくださったバンチャンさんは、身長も高くて鍛えてるのが分かる体で、確かに男の僕から見てもかっこいい。
BC「俺、この辺には中学生くらいで引っ越してきたから幼なじみとか居ないんだよね。いいなあ、って思ったよ」
『そうなんですか?初めて知りました…!』
FL「……僕も、まだバイトした事がなくて、ピザ屋さんとか楽しそうだなってずっと考えてたんです」
えーピリもここおいでよ!と笑顔でこちらを見るAを横目に、僕は目の前に立つ
BC「もしよかったら面接受けに来たらいいよ、結構楽しいよ」
FL「ちょっと考えてみます、ありがとうございます先輩」
今日の朝まで僕は、まだ伝える時じゃないと思っていた。
でも、この先輩の目を見て、分かった。
ライバルはすぐそこにいる。
幼なじみがいいなと思った、という先輩の言葉には確かな熱があった。だから僕も、Aと同じバイト先で羨ましいと素直に返した。
『なんか、ピリと先輩が話してるの新鮮』
FL「そりゃあ初対面だもん」
BC「また機会が合えば話そうよ!ここのバイト、楽しいんだけど女性が多くて久しぶりに男子と話せて楽しかったよ」
FL「はい、また来ます!」
言葉には出さなくても真意は分かる。
僕は、Aが好きで。
バンチャン先輩も、Aが好き。
それが分かったらもう、覚悟を決めなきゃいけない。
今すぐにでも動かないと。
でも早まりすぎず。
幼なじみという居心地のいい場所から、ようやく変わりたいと強く思えた今から。
FL「じゃあA、早く帰らないと。ピザ一緒に食べるんでしょ?」
BC「そうだよね、じゃあAちゃん。また明日」
僕は、動き出す。
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サラさんまたまたリクエストありがとうございました!!
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るぇもん(プロフ) - 細かくて申し訳ないのですがジソナではなくジソンアだと思います… (2022年7月12日 21時) (レス) @page22 id: 32736c39e3 (このIDを非表示/違反報告)
いちごだいふくlike(プロフ) - サラさん» ほんとですかまたまたお世辞がお上手なんだから、、、ちゃんと神作にできるように頑張ります、、! (2021年1月30日 19時) (レス) id: 851fdc26ff (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - いちごだいふくlikeさん» プロフィール見ました!!プロフィールから漂う神のようなお話の予感…更新頑張ってください!! (2021年1月29日 22時) (レス) id: 1943299eac (このIDを非表示/違反報告)
いちごだいふくlike(プロフ) - 1.0神無月さん» うわああ嬉しいお言葉本当にありがとうございます!!私自身まだ書けていないメンバーもいるので続き作ろうかな、と悩んでいたので嬉しいです!長編の方もありがとうございます!! (2021年1月29日 21時) (レス) id: 851fdc26ff (このIDを非表示/違反報告)
いちごだいふくlike(プロフ) - サラさん» お待たせしました!!!取り急ぎ開設したのでよければぜひお読みください!! (2021年1月29日 21時) (レス) id: 851fdc26ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あすてい | 作成日時:2020年12月7日 15時