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BC side
『こんにちはー、』
明るい声が聞こえれば、直ぐに君が来たんだってわかる。
最初は面白そうだな、っていう気持ちだけで始めたピザ屋のバイトも、君が入ってきて、本当に大切な時間になった。
BC「やっほ、Aちゃん。今日も学校お疲れ様」
『お疲れ様ですバンチャン先輩!今日もよろしくお願いしまーす!』
カバンを置きながら返してくれたAちゃんは、今日も明るい笑顔をしていて。
今日も頑張れるな、なんて一人で意気込んでしまう。
『あ、そういえば先輩、今日って新作の試作品持って帰れる日ですよね?』
BC「うん、そうだよ」
『よかった〜!間違ってたらどうしようかと思って』
安心したように笑ってから、バイトの制服に着替えに行った彼女の背中を見送って、そっとため息を吐く。
新メニューを考えて試作品を作る時、彼女はいつもピザを1枚持って帰る。別にそれ自体は俺もしている事だから普通だけど、彼女が勤めて初めてピザを持ち帰る時に、
『店長、すみません。これって私以外の人に食べてもらってもいいですか?』
「ん?ああもちろん、意見を聞いてきてくれるなら全然いいよ」
『分かりました!』
と言っていたのが、ずっと引っかかっていて。
しかもその日は必ず、彼女は誰かに迎えに来てもらっているようで。
彼氏なのか、なんて聞けない。
俺はまだ、そのステージにすら立てていない。
情けない考え方だな、と思いながらその日ずっとバイトをして、気づけば空が暗くなっていた。
BC「Aちゃん、あと5分だし今日もうあがって大丈夫だよ」
『本当ですか?すみません、ありがとうございます!』
BC「……ねえ、ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
勇気を出して、少しだけ聞いてみた。
『なんですか?』
BC「いつも試作品持って帰る時、嬉しそうにしてるから。誰と食べてるのかなってずっと気になってて」
『なるほど!いつも幼なじみの子に食べてもらって感想聞いています!
というか私そんなに嬉しそうにしてましたか?』
なんか恥ずかしいな、と笑う彼女に少しだけ安心するけれど。
幼なじみ、なんて。
今の自分からしたら何て羨ましいポジションなんだろう。
そんな事を考えていたからか、
『あっ、そういえばその幼なじみによくバンチャン先輩の話をしていたら今日会ってみたいなって言ってました!先輩も今日あがられる時間私と同じですし、よければ少し会って貰えませんか?』
なんて頼まれてしまった。
(続きます)
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るぇもん(プロフ) - 細かくて申し訳ないのですがジソナではなくジソンアだと思います… (2022年7月12日 21時) (レス) @page22 id: 32736c39e3 (このIDを非表示/違反報告)
いちごだいふくlike(プロフ) - サラさん» ほんとですかまたまたお世辞がお上手なんだから、、、ちゃんと神作にできるように頑張ります、、! (2021年1月30日 19時) (レス) id: 851fdc26ff (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - いちごだいふくlikeさん» プロフィール見ました!!プロフィールから漂う神のようなお話の予感…更新頑張ってください!! (2021年1月29日 22時) (レス) id: 1943299eac (このIDを非表示/違反報告)
いちごだいふくlike(プロフ) - 1.0神無月さん» うわああ嬉しいお言葉本当にありがとうございます!!私自身まだ書けていないメンバーもいるので続き作ろうかな、と悩んでいたので嬉しいです!長編の方もありがとうございます!! (2021年1月29日 21時) (レス) id: 851fdc26ff (このIDを非表示/違反報告)
いちごだいふくlike(プロフ) - サラさん» お待たせしました!!!取り急ぎ開設したのでよければぜひお読みください!! (2021年1月29日 21時) (レス) id: 851fdc26ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あすてい | 作成日時:2020年12月7日 15時