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『あの……血を吸うのって、やっぱりこっち側は痛み感じるんですかね……?』
HN「えっ」
え、何そのリアクション。こっちがそう言いたい。私もう早速地雷踏んだ?吸血鬼の地雷なんて知らないんですけど。
『え、あの……』
HN「あ、ああ、ごめん。まさか聞かれることがもう吸血のことだって思わなくて……もっと前の段階から質問してくると思ったから……」
LK「いいんじゃない?案外話が早く済みそうで俺は助かるー」
そう言いながらリノさんが歩み寄ってくる。目の前でしゃがんで、顔の高さが同じになってようやくリノさんの顔がはっきり見えた。ええめちゃくちゃ美人じゃん……
LK「吸血は、人間側は最初に皮膚を牙で貫くとき以外は痛くないんだって。まあ、その最初の痛みは耐えてもらわないと始まらないから我慢してねって感じだけど」
HN「ちょ、ヒョンもう吸うつもり!?」
LK「いーじゃん。物は試し、っていう言葉も確かあったし」
『あっ、あの!』
自分の牙を見せながら私の肩に手を置いたリノさんからとりあえず離れる。献血すらしたことないのに自分の血そんな気軽に吸われるのさすがに怖い。
『これって、血吸われたら私も吸血鬼なるんですか……?』
LK「え?……ああ、別に吸血鬼にしようと思えば出来るよ?なりたいの?」
『いや別になりたくはないんですけど……』
HN「吸血鬼になると、当たり前だけど普通の人間と同じ生活は出来ないし人としては死ぬことになる。けどそれを君が選ばなかったら君はただちょっと血が減るだけで、普通の人間のままだよ」
ジソンさんが、何故かリノさんの言葉の後に頭を抱えてからそう補足してくれた。なるほど、ということはこの場さえ我慢したら私は日常に戻れるってことか。
『要するに、今さえ耐えれば私はもう元の場所に戻って普通に生活できるってことですよね?』
HN「……あー……まあ、うん、そうだね」
えっ何その含みのある返事。
さっきの日常に戻れるってほぼ確信した私を返してほしい。
『あの』
HN「いや、戻れるよ。元いた場所には戻れるけどそれが日常かどうかは……
実は今、俺達が君と出会ってからここまで連れてくるまでの、君の記憶を無くしてるんだ。それを知ればまあ、納得がいくとは思うけど……」
『えっ……』
もうやだ今日1日で私の身にいろいろ起きすぎている。ここに来る前の私がどうしてたか?
……あれ、本当だ。
思い出せない。
私、どこで何してた?
(続きます)
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るぇもん(プロフ) - 細かくて申し訳ないのですがジソナではなくジソンアだと思います… (2022年7月12日 21時) (レス) @page22 id: 32736c39e3 (このIDを非表示/違反報告)
いちごだいふくlike(プロフ) - サラさん» ほんとですかまたまたお世辞がお上手なんだから、、、ちゃんと神作にできるように頑張ります、、! (2021年1月30日 19時) (レス) id: 851fdc26ff (このIDを非表示/違反報告)
サラ(プロフ) - いちごだいふくlikeさん» プロフィール見ました!!プロフィールから漂う神のようなお話の予感…更新頑張ってください!! (2021年1月29日 22時) (レス) id: 1943299eac (このIDを非表示/違反報告)
いちごだいふくlike(プロフ) - 1.0神無月さん» うわああ嬉しいお言葉本当にありがとうございます!!私自身まだ書けていないメンバーもいるので続き作ろうかな、と悩んでいたので嬉しいです!長編の方もありがとうございます!! (2021年1月29日 21時) (レス) id: 851fdc26ff (このIDを非表示/違反報告)
いちごだいふくlike(プロフ) - サラさん» お待たせしました!!!取り急ぎ開設したのでよければぜひお読みください!! (2021年1月29日 21時) (レス) id: 851fdc26ff (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あすてい | 作成日時:2020年12月7日 15時