8日目 ページ9
「デュースってなんでそんなに走るのが上手なの?」
「え?」
体力育成の授業の今日の課題はグラウンド10周。ただしオクタヴィネルの寮生は体の事を配慮して5周だ。
皆がグルグルとグラウンドを駆ける中、Aはちょうど隣を走っていったデュースにそんな質問を投げかけた。
1度はAを通り過ぎたデュースだったが、Aの声に少しスピードを落として並走を始めた。
「俺が、走るのが上手?」
「うん。私、まだ上手く走れなくて…。デュースは走るのが上手でしょう?」
そう言うAは、やはりまだ走行に覚束無いのかチラチラと足元を確認しながら走っている。その為か、Aの走るペースは全体で見てもかなりゆっくりだ。
「あー、そうか、Aは元々足がなかったんだったな」
「そう。でも私はね、他のオクタヴィネル寮の子達より歩くのが下手なんだって」
「そうなのか?」
「ジェイドとフロイドが言ってた」
「ジェイドとフロイド、、?寮の先輩か?」
「ううん、幼馴染。…ねぇどうしたらちゃんと走れる?」
「んー、やっぱり走り込みじゃないか?俺、陸上部なんだけど、大会前は限界まで体を追い詰めて練習するぞ」
「ハシリコミ、、」
「そうだ、俺と走り込みするか?俺ももうすぐ大会があるし」
「んー、、じゃあ、うん」
「よし、じゃあ今日の放課後グラウンド集合な!」
「おっけぇ〜」
Aの返事を聞くと、デュースはAに合わせていた分を取り戻さなくては、とスピードをグングン上げて行ってしまった。
「いいなぁ〜鬼ごっことか楽しいんだろな」
別に陸の世界に憧れていた訳では無いが、折角足を貰ったのだ、楽しみたいというのがAの心情。あとは、あの双子にいつまでもバカにされる訳にもいかないのだ。絶対見返してやる、とすこし意気込んで、Aは走るスピードをほんの少し上げた。
ーーーーー
「私今日、ハシリコミするから」
「走り込み、、??」
放課後、クラスまでAを迎えに来たフロイドは、彼女の突然の言葉に呆気にとられていた。
「え、クラゲちゃん、いきなりどうしたの?」
頭でも打っちゃった大丈夫?と少しかかんで、Aの顔を覗き込む。しかし、Aはフルフルと頭を横に振る。
「じゃあなに?」
「秘密」
「は?なんで?」
「なんでも!とにかく、私行くから」
「…いや、」
行かせるわけねーじゃん
立ち上がったAの腕をグッと掴んだ。
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あいむ(プロフ) - ラムさん» コメントありがとうございます〜!!ご期待に応えられるように頑張りますm(_ _)m (2020年5月16日 23時) (レス) id: a7e56997c8 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 続きが気になる (2020年5月13日 21時) (レス) id: 9e05ed3410 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 面白い (2020年5月13日 16時) (レス) id: 9e05ed3410 (このIDを非表示/違反報告)
あいむ(プロフ) - なづななさん» コメントありがとうございます!!にやけられるものになっていて安心しました(?)ラギーとトレイ先輩いいですよね。。ラギーは可愛いし、トレイ先輩はあの優しげな感じなのにしっかりヴィランって所が最高です...。ありがとうございます!頑張ります!! (2020年4月28日 17時) (レス) id: a7e56997c8 (このIDを非表示/違反報告)
なづなな - とっても面白いです!フロイドが大好きなので、にやけながら読ませて頂いてます。あとはラギー君とトレイ先輩も好きです!体調などに気を付けてこれからも頑張って下さい!応援していますっ! (2020年4月26日 0時) (レス) id: c89830493e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あいむ | 作成日時:2020年3月23日 0時