44日目 ページ47
得意魔法がないとはいえ、こちらには人数がいる、と殺気立ったイソギンチャク達に、アズールは溜息をついた。
「やれやれ…あまり手荒な真似はしたくないんですがね。
ジェイド、フロイド、少し遊んであげなさい」
「かしこまりました」
「コイツら全員絞めていいの?あはっ、やった〜」
2人がニコニコして飛びかかってくるイソギンチャク達をいなして行く。もちろん攻撃はアズールにもいくが、彼は黄金の契約書で全て弾いてしまう。
ふと、Aはソファの裏へと隠れる生徒が3人いる事に気付いた。そのソファはアズールの真後ろ。騒ぎに乗じて契約書を奪おうというのだろう。
こういう人達を処理するようアズールは頼んだのだろう。Aはそっと彼らに近づき、後ろからトントンと肩を叩いた。
「そこで何してるの、」
「ヒッ…ってなんだ噂の新入生じゃねぇか」
「やっちまえ!1年の上に女。どーせ弱ぇ!」
「『
「うわっっ!!」
3人はすっ転び、足の方へと手を伸ばした。Aが想像したのは、単なる足の痺れ。
Aも陸に上がってすぐは、突然の痺れに悶えたものだ。人間は少し座っているだけで、足に爆弾を起動させるのだから恐ろしい。
人間達には馴染みのある痛みだろうが、急にその症状が現れたら、驚きと恐怖で効果は倍増するだろう。しかも、Aが解除するまでその痛みは続く。もちろんその痛みは脳が起こした幻覚痛なのだが、彼らがそれを知る由もない。
「お、クラゲちゃんやるじゃん。あはは、ちょーマヌケな顔」
フロイドがこちらに気づき、ソファの後ろをひょこっと覗く。足を抑えバタバタと悶絶する3人をまとめてギューっと絞める。すっかり、大人しくなった彼らから魔法を解く。
途端に疲れがどっと襲ってきた。3人纏めて幻覚痛を起させ、しかもそれなりに長い時間の使用。疲れるのも当然だ。せめて幻影だけにしておけばよかったと後悔する。
幸い、他のイソギンチャク達は全員床に突っ伏しており、これ以上自分が出る幕はなさそうだ。
金の契約書が最強であると、充分な力の差を見せつけてしまえばこちらのもの。
「サバナクロー寮のジャック・ハウルくんに、オンボロ寮の監督生さん…でしたね。君たちもどうぞお引き取りを」
あぁ、いたのか、とここで初めて監督生の存在を知る。こんなに近くで監督生を見るのは初めてだったが、監督生はジャックと共に踵を返し、アズールの言葉通り帰っていってしまった。
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あいむ(プロフ) - ラムさん» コメントありがとうございます〜!!ご期待に応えられるように頑張りますm(_ _)m (2020年5月16日 23時) (レス) id: a7e56997c8 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 続きが気になる (2020年5月13日 21時) (レス) id: 9e05ed3410 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 面白い (2020年5月13日 16時) (レス) id: 9e05ed3410 (このIDを非表示/違反報告)
あいむ(プロフ) - なづななさん» コメントありがとうございます!!にやけられるものになっていて安心しました(?)ラギーとトレイ先輩いいですよね。。ラギーは可愛いし、トレイ先輩はあの優しげな感じなのにしっかりヴィランって所が最高です...。ありがとうございます!頑張ります!! (2020年4月28日 17時) (レス) id: a7e56997c8 (このIDを非表示/違反報告)
なづなな - とっても面白いです!フロイドが大好きなので、にやけながら読ませて頂いてます。あとはラギー君とトレイ先輩も好きです!体調などに気を付けてこれからも頑張って下さい!応援していますっ! (2020年4月26日 0時) (レス) id: c89830493e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あいむ | 作成日時:2020年3月23日 0時