30日目 ページ32
その後、オクタヴィネル寮が試合で勝つことは無く、結果は散々なものであった。何故か。理由は簡単。フロイドが試合を放棄してしまったからである。元々頭脳派なオクタヴィネル寮はフロイドとジェイドのコンビネーションに頼ったプレーが多く、肝心の2人が揃わなければオクタヴィネル寮に勝ち目はない。
そして、フロイドが試合を放棄した理由。それは、Aであった。
「フロイドが試合を放棄してしまうとは予想外でしたね」
「…まぁいいでしょう。我々が力を入れるべきは試合ではなく、取引。さしては次の試験です」
「ふふ、また何か楽しい事を考えてらっしゃるんですね、アズール」
「また手伝ってもらいますよ」
「お任せ下さい」
「それで、2人は?」
「出店を回ってますよ。ついでにモストロ・ラウンジの期間限定メニューの宣伝もしてもらっています」
ーーーーーーー
「結局試合放棄して…寮の人になんて言われるか…」
「知らねぇし。つかこんなの着てるクラゲちゃんの方が試合よりずっと面白い」
特別衣装でいることに観念したAはフロイドと共に、ガヤガヤと試合が終わっても尚賑やかなサイドストリートを歩いていた。時折出店に立寄り、気になったものを購入したりと試合には出られなかったが、マジフト大会を彼女なりに楽しんでいるようだった。
「あ!!タコ焼きだぁ。クラゲちゃんあれ買お」
「タコ焼き…?」
「そ。オレ大好きな食べ物」
そう言ってフロイドは6個入りのタコ焼きを1つ買った(購入時にモストロ・ラウンジにツケを付けていたのは見なかったことにしておく)。ニヒニヒと満足気な表情でそれを口に放ると、Aにも1つ差し出した。Aにとっては初めて食べる物だ。まずは匂いをかいでみた。香ばしいソースの匂い。上にはヒラヒラした何かが乗っている。少し戸惑ってから、遠慮気味にかぶりついた。が、うぅ、とすぐに小さくくぐもった声を出したかと思えば、眉間には皺が寄っていた。
「フロイド、私、これ苦手」
「え、まじ?こんなに美味しいのに?ぜってー気のせーだって」
「気のせいじゃない!ちょっ、やめて!口に近付けないで!!」
「でもさ、シイタケよりはマシじゃねえ?」
「いいえ」
フイッと顔を背けるAにフロイドは少しムゥと口を尖らせた。それでもあっという間にタコ焼きを平らげると、フロイドはAの手を引いてラウンジへ向かった。
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あいむ(プロフ) - ラムさん» コメントありがとうございます〜!!ご期待に応えられるように頑張りますm(_ _)m (2020年5月16日 23時) (レス) id: a7e56997c8 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 続きが気になる (2020年5月13日 21時) (レス) id: 9e05ed3410 (このIDを非表示/違反報告)
ラム - 面白い (2020年5月13日 16時) (レス) id: 9e05ed3410 (このIDを非表示/違反報告)
あいむ(プロフ) - なづななさん» コメントありがとうございます!!にやけられるものになっていて安心しました(?)ラギーとトレイ先輩いいですよね。。ラギーは可愛いし、トレイ先輩はあの優しげな感じなのにしっかりヴィランって所が最高です...。ありがとうございます!頑張ります!! (2020年4月28日 17時) (レス) id: a7e56997c8 (このIDを非表示/違反報告)
なづなな - とっても面白いです!フロイドが大好きなので、にやけながら読ませて頂いてます。あとはラギー君とトレイ先輩も好きです!体調などに気を付けてこれからも頑張って下さい!応援していますっ! (2020年4月26日 0時) (レス) id: c89830493e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:あいむ | 作成日時:2020年3月23日 0時